2018年新春 カメラよもやまばなし@「カメラとお散歩」

2018/01/10

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオに
カメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、
ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
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今月は「新春 カメラよもやまばなし」と題して、三つの話題をお届けしました。

⚫︎撮ったあとからピント調整する仕組み
最近、撮影したあとでピントを合わせる場所を選べるものがあります。
なぜ撮影後にピントを合わせる対象を変更できるのでしょうか?
実際はピント対象を「変更」しているのではありません。
コンパクトデジカメなどでは、撮影の瞬間に手前・中間・奥など、
異なった位置にピントを合わせた写真を数枚撮影してあり、
あとでそのどれかを選択するようになっています。

他の仕組みとしては、レンズが、昆虫の複眼のようになっていて、
それぞれ別々の場所に焦点が合った記録をし、後から画像処理ソフト上で
任意の場所を選ぶ、といったことだと考えられます。

スマホのダブルレンズ(特にAndroid)の機種に多いのは、
撮影時に、一つのレンズは通常撮影、もう一つのレンズで距離情報を記録しておき、
距離情報に基づいてどの部分にピントを合わせるか、といった後処理を施すタイプも
あるようです。
iPhoneの場合は、物理的に広角側と標準(望遠)側が備わっていますが、
画像処理でボケ具合は作り出されています。

⚫︎セルフィーは本人確認資料に利用する時代に
「IDセルフィー」というとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。
webサービスなどで本人確認のために、運転免許証や健康保険証、パスポートなどを
提示することが多いと思います。
これをもう一歩進めて、運転免許証の表面と裏面の2点に加え、免許証を手に持った
自分自身の写真も送ることで、偽造の可能性をより少なくするということです。
IDセルフィーで気をつけるべきことがあります。
大前提として、証明書に記載されている文字が鮮明に読み取れないことには、
本人確認の目的が果たせません。
証明証を極端に顔から離して撮影すると、ピントの範囲を外れてしまい、
証明証あるいは顔がぼけてしまうかもしれません。
また、スマホを片手で持っての自撮りですから、ブレのリスクもあります。
証明証を持つ指が文字にかからないように意識しなくてはなりませんし、
照明による指の影や光すぎで文字が判読不明にならないように気をつける必要があります。
ちなみに、宮本さんがIDセルフィーでの本人確認資料の提出を行ったさいには、
自撮り用カメラでは撮らずに、三脚にiPhoneを固定し、ある程度の距離をとって
外側のレンズで撮影したそうです。
そうすることで「鼻デカ犬風」にならず、ブレのリスクが避けられます。
ただしシャッターは他の人に押してもらうか、タイマーを活用しなくてはなりません。
以上のようなことを意識していただくと、何度も提出しなおさず、
すっきりと証明を完了しやすくなると思います。

⚫︎ミラーレスカメラは業務使用にも進出
ミラーレスは構造上、大きなミラーの上下がない仕組みですから、
原理としてシャッター音が出ません。
ホールでの演奏会(特にクラシック)のように、シャッター音が鑑賞の妨げになりかねない
場での撮影にはぴったりということになります。
その上にミラーレスは、フルサイズセンサーを備えたモデルがどんどん増えてきており
ビギナー向けの一眼レフカメラを軽く凌駕する性能を備えるものも多くなってきました。
こういったことから、ミラーレスカメラが業務使用に耐えるようになってきたのです。

以上、新春カメラよもやまばなしはいかがでしたか?

もっと詳しいお話が聞きたい方や、宮本さんの写真講座にご興味がある方は
宮本さんのウェブサイトをご参照ください。

And EM アンド・エム

「カメラとお散歩」毎月第一水曜日 午前11時〜
             再放送 当日午後7時40分〜

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あなたの作品を募集しています。

いただいた作品には宮本さんからの講評やワンポイントアドバイスがいただけます。

なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなど
なるべく具体的に教えてくださいね。

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(文責:千波留)