「インスタ映え」の次に来るものは?@「カメラとお散歩」

2018/02/07

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオに
写真家 宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、
ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
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今月のテーマは「『インスタ映え』の次に来るものは?」

昨年の流行語だった「インスタ映え」。
その次に来るものはなんなのでしょうか?

1.静止画から動画へ
フォトジェニックの次はムービージェニックだそうです。
SNSに投稿されるのが写真から動画へと変わりつつあります。
特に今は時期的に「鍋」が旬なようです。
しかし日の丸構図の鍋料理がドーンと見えるだけでは、視覚的には面白さが
ありません。
しかし見た目や料理に特徴のあるお店がプロモートに使ったり、話題性を狙うには良い媒体だと思います。
また、静止画が動画に変わることにでインパクトが強力になるという点では評価されるべきものでしょう。

静止画から動画へという動きは何もSNSに限ったことではなく、職業としての撮影も写真から動画へと移りつつあることを宮本さんは実感されるそうです。
宮本さんは10年以上前から動画にウエイトをシフトしてこられたそうです。

2.インスタは技術革新とは正反対をやっている
そもそもIstagramのフィルターは、意表を突いた加工を施すもので、
故意にデータ(画質)を劣化させています。
それが、現在ほど技術的に優れていなかったフィルム時代を回想させ、
結果として「いいね!」を集める、といった結果を導くことを目的と
しています。

フィルム時代は明暗差が狭い(ダイナミックレンジが狭い)と、明るいところは白飛びし、暗いところは潰れてしまいました。
例えば人物写真の場合、髪の毛のように黒く暗めの部分はベタッと
潰れて、光が差す白い服の肩や、光の当たる頰や鼻の頭などは真っ白に飛んでしまいます。
白いシルクのドレスの質感や、手入れが行き届いた黒髪の質感を感じさ
せる表現など、明暗差が狭い範囲しか記録できなかった昔のフィルムで
は表現が難しかったわけです。
これらを改善するために技術革新が進み、明暗差をより大きく記録でき
るようになってきました。
デジタル記録となった現在では、その明暗差とともに、更に細かい階調
まで記録・表現できるように技術革新が進められてきたのです。
にも関わらず、インスタグラムでは意図的にそれらをスポイルする方向に加工し、一部では「その素人っぽさが良い」と評価する人たちもいました。
そんな時代が、スマートフォンとともに10年近く続いたわけです。
しかしその間も、技術革新は止まっていません。
映像の世界では、HDR(High Dynamic Range)が実用的なレベルにまで
広がってきました。
HDRはフィルターの一種ではありません。
脈々と続く、明暗差を広げ階調を更に豊かにするためのテクノロ
ジーであり、わかりやすく言えば、インスタのフィルターとは正反対の
方向に進む技術です。

「大は小を兼ねる」のことわざ通り、広い大きな明暗差で記録しておけ
ば、階調を破壊しインスタ風にするのは可能ですが、その逆の、インスタ風にフィルター加工したものは、元に戻りません。

「インスタ映え」の次に来るものは写真を動画に置き換えただけ、といった浅い話ではなく、もっと深い部分の変化があることを知っておいてください。

もっと詳しいお話が聞きたい方や、宮本さんの写真講座にご興味がある方は
宮本さんのウェブサイトをご参照ください。

And EM アンド・エム

「カメラとお散歩」毎月第一水曜日 午前11時〜
             再放送 当日午後7時40分〜

**質問&作品 募集!!**
「カメラとお散歩」ではカメラや写真撮影に関する質問、ならびに
あなたの作品を募集しています。

いただいた作品には宮本さんからの講評やワンポイントアドバイスがいただけます。

なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなど
なるべく具体的に教えてくださいね。

メールの件名は「カメラとお散歩」係。
816@minoh.netあてにお寄せください。

お待ちしています。
(文責:千波留)