まちのラジオ第2週 ロンドンでの子育てから見えたもの…大阪大学言語文化研究科言語文化専攻・秦かおり准教授

2018/08/09

handai-1浅川さん / 秦准教授 / 木場さん / オユナーさん
箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学言語文化研究科言語文化専攻・秦かおり准教授をお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 浅川慎介さん)

言語から文化を研究する。
そんな学問へと秦さんを誘ったのは、お兄さんでした。
中学生の頃、そのお兄さんに勧められたのが祖父江孝男・著『文化人類学入門』でした。
そこで紹介されていたのが、スワヒリ語→英語の対訳。
いくつかの文例のあと、クイズ形式で「この言葉の意味は?」という問題が出ていました。
見たこともない文字で表された言葉を、手がかりを元に解き明かす。それは、ことのほか面白い体験だったといいます。
その後高校1年生で、オーストラリアに留学した時のこと。
はいていたストッキングがたまたま伝線していたのを

Your stocking is running!

こんな風に指摘されてびっくり。
日本語で言う「伝線」が、英語では「run」となる。
同じ事象を示すのに、全く違う言葉が使われるその背景には、文化の違いがあるのでは?
こういった言葉を研究することで、その違いが明らかにできる・・・そんな思いから、秦さんは研究者の道をめざすことになりました。
handai-2
●アクティブインタビューとは?
言語文化を研究する上で、いろいろな調査対象者へのインタビューが重要になります。
その際、通り一遍のことだけではなく、できるだけ心の奥にあることを打ち明けてもらうための手法が「アクティブインタビュー」です。
インタビュアーが、ただ聞き手に徹するのではなく、自分の体験談や思いも披露していく。インタビューされる側も、それに触発されてさらに言葉が引き出されていく・・・。
こんな「アクティブインタビュー」の手法は、ともすれば見過ごされがちなマイノリティの声を拾い上げるのにも有効だということでした。

●ロンドンでの子育て
結婚後、イギリスのロンドンで留学生活を送ることになった秦さん。
子育てをしながら送る日々、日本との違いを感じることも多かったといいます。
例えばベビーカー。階段があったりすると、すかさず誰かが手助けしてくれます。
弱者には進んで手を貸し、差別を表に出さない・・・そんな意識が社会に浸透しています。
ただ、ブレグジット(イギリスのEU離脱)が決まってからは、少し変化が見られるようです。
移民への差別意識が表に出てきたり、イギリス社会も大きく揺れ動いているようです。

番組には、学生の木場安莉沙さん、モンゴル人留学生のオユナー・ノミンさんにも参加していただき、「学生から見た秦先生」といった話題などで和やかにトークを繰り広げていただきました。