ヘリウムガスで風船が浮かぶわけは?山田善春さんのラジオ科学教室vol.80@エール・マガジン

2018/09/22

yamada-1 ガンバッテイルみなさんを応援する土曜日の「エール・マガジン」(14:15on air)、
9月22日(土曜日)は、科学の山田善春(やまだ・よしはる)先生、80回目のご登場!
音声だけのラジオで、毎回果敢に科学の実験に挑戦。今回は…!?

 6月~9月は、史上類のないほどの災害の重ね打ちに見舞われました。地震、豪雨、台風・・・。
「地震と台風には、実は共通点があるんです」
ええっ!?
 台風は、赤道付近などの熱帯で発生し、北上して来ます。どうしてその逆は無いのでしょうか。それは、熱エネルギーが発生の原因だから。暑い地域で発生して、寒い方へと進むのが自然な動きです。
 では、地震は?地球の内部は非常な高温で、冷たい地表との間に温度差が生じます。温度差のある流体に生じるのが「対流」という現象で、温められたものは上昇し、冷やされたものは下降します。台風も地震も、空気やマグマの対流が関係しているのが共通点、ということでした。
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 そしておなじみの実験ターイム!
 今日は山田先生、何やら大きなスプレー缶をご持参ですが・・・。
「これね、ヘリウムガスです」
ヘリウムは空気に比べて、音が速く伝わります。ヘリウムガスを吸うと変な高い声になるのは、そのため。
 ただし、ヘリウムガスを直接吸うと事故につながります。
声を変えて遊ぶ場合は、酸素入りの専用ガスがあるそうなので、そちらをお使いください。
「こうやって、ヘリウムで風船をふくらませると・・・」

ほら、浮いた!

 よく子ども向けのイベントなどで配られる風船で、みなさんもおなじみでしょう。お子様のハートをがっちりとらえて離さない、ヘリウム風船。ふくらませながら、山田先生もすこぶる楽しそうです。それはまるで少年のような笑み・・・。yamada-3
 今度はスプレーの先をシャボン液につけて、シュッとひと吹き。
ヘリウム入りシャボン玉は、かなりの勢いでまっすぐ上昇し、スタジオの天井に当たって、こわれて消えました。
 ひとしきり遊んで、もとい実験を行ったあとは考察です。
そもそも、なぜヘリウムは浮くのでしょうか?
「それは、シーソーを考えてもらえばわかります」
 子どもが一人でシーソーに乗っても、それは動きません。
そこへ大人がやって来て反対側に乗ると、子どもは上に上がります。
体重の軽い子ども=ヘリウム。
体重の重い大人=空気。
 重い空気が存在するからこそ、ヘリウムは浮かぶことができるのでした。
風船遊びのように見えて、そこから深い洞察で真理を浮かび上がらせる。これぞまさしく「科学教室」、山田先生さすがです!

「この風船を、このマイクにまとわりつかせて・・・おお、静電気でくっつく!どう、『風船マイク』なんていいんじゃない?ほら、こうやって手のひらを下に向けても、くっついて落ちないよ!」

うーん・・・やっぱり単に遊んでいるようにしか・・・。

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