スマートフォンカメラのトレンド 2018年最新動向@カメラとお散歩

2018/10/03

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオに
写真家 宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、
ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
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今日のテーマは「スマートフォンカメラのトレンド 2018年最新動向」

iPhoneの新型が登場するこの時期、最新のスマートフォンカメラの動向について、
3つの観点からお話を伺いました。

1. 複数レンズをどう使うかにメーカー思想が見える
 かつて、コンパクトデジカメやスマートフォンのカメラはモデルチェンジごとに
画素数が増え、その点をアピールポイントとして進化していました。
しかしSONYのXperiaは2015年には2300万画素だったものが、1920万画素などに、
SamsungのGalaxyも1200万画素程度に、iPhoneは、近年ずっと1200万画素で
据え置きの状態です。つまり現在は画素数をアピールポイントにするのではなく、
別の部分を特化するように方向転換しています。
これは、スマートフォンで撮影した画像はスマートフォンでしか使わないこと、
モバイル通信でSNSにすぐアップするといった利用法において、
巨大ファイルを扱うよりも、画素数を減らして画質アップしたほうが
メリットが大きいと判断されたせいと思われます。
そして、画素数をアピールしなくなった代わりに、複数のレンズをアピールし始めたのです。
最近の新型スマートフォンのカメラは、2つあるいはそれ以上のレンズを備えたモデルが多いようです。
iPhoneやGalaxyは焦点距離の異なった2つのレンズにより、広角側と標準域をカバーする方向。
ASUSのZenFone4 などは、2つ目のレンズを望遠ではなく、反対の超広角にして
風景写真や集合写真を得意とする方向に向かっています。
Huaweiでは、2つ目をモノクロ専用にしてモノクロの楽しさをアピールしているようです。
また、2つ目のレンズで距離情報だけを記録し、後からその情報を元にし
背景ボカしの加工をするようなモデルもあります。
いずれにしても複数のレンズの設計思想、ユーザーへの使い方提案などに
メーカーの思想が現れているといっていいでしょう。

2. もうフィルター押し付けインスタ映えからは卒業しよう
かつてInstagramに端を発した、意図的にデータを破壊して意表をつくといった手法で
人目を引くやり方は、もう行き詰っているように見受けられます。
ちょっと変わった感じを演出するための意図的な写真データ破壊ではなく、より階調豊富な
見た目に近いイメージへと変わりつつあります。
かつてフィルターを好んで使っていた「ミレニアル世代」(1981〜1996年生まれの世代)は
用意されたフィルターでにこだわらず、面白そうだと感じたものは何でも取り入れます。
これこそが、最新のトレンドではないかと思います。

3. 最新トレンドはHDRへ
フィルターだけに頼らない写真とは階調が豊富な写真です。
いま、若い世代の中にはレコードプレーヤーやカセットテープを新しいと感じる人も多いように、
階調を潰し破壊したものとは逆の写真が新しく感じられるということでしょう。
2018年の最新iPhone(iPhoneXs、Xs Max)では、webのサンプルを見る限り、
このような階調重視の絵作りがされているように感じます。
つまり、広い明暗差を記録できるように進化し、明るい部分も暗い部分も潰れることなく、
模様などがしっかり見えるような写真です。

このような進化により、難しいことを考えなくても階調重視の写真が撮れるのが
最新スマートフォンカメラというわけですが、その原理を知っていれば、
同じように自身で画像処理し、似たイメージの作品を創り出すことが可能です。
写真は、色々なことを考え、操作し、更に画像処理によって唯一無二な自分の作品を作りだせるところに
楽しみがあります。ぜひその楽しみを味わってください。

【リスナーさんの作品講評】
⚫︎ラジオネーム:sanaeさんの作品
 音楽イベントのボランティアスタッフとして、バス乗り場での誘導を担当されたsanaeさんが
ボランティアがそろそろ終わる時刻に撮影した2枚の写真です。
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宮本さんのご意見
「普通縦に伸びたご自分の影を撮る時は縦の構図にするのが定石ですが、この場所の場合、
影が描く縦のラインと、並木が描く横のラインが面白い。二つを収めた横の構図が成功していると言えます」

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宮本さんのご意見
「夕焼けまでまだ間があり、太陽が見える時間帯ですね。
 明るい太陽の光と、手前側の影が対照的であり、
 一部の車のフロント部分が太陽光を反射して光っているのが味わいとなっています」

⚫︎ラジオネーム ごきげん桂ちゃんの作品。
昨日の晩ごはんの織田蒸し。茶碗蒸しの中にうどんと鱧が入っているんです。

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宮本さんのご意見
「斜め奥からの光のおかげで、明るい部分と少し暗い部分があり、立体感が出ています。
 そして一番手前のうどんの部分。影になってはいますが、うどんの一本一本がちゃんと見えますね?
これが今日お話しした「白トビしたり黒が潰れたりしていない、階調豊かな写真」のお手本のようになっています」

いかがですか?
ぜひお気軽にこのコーナーにお写真をお送りくださいね。

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写真に少しでも興味を持たれた方は
宮本さんのウェブサイトをご参照ください。

And EM アンド・エム

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【「希望色」とは言うが「希望階調」の言葉も欲しい】

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(文責:千波留)