宇治市白川地区のお茶農家 北村 翔さん@植田洋子とTea For Two

2019/06/19

ステキなゲストをお迎えして、楽しいトークと素敵な音楽をお届けします。
お茶でも飲みながらステキな午後をお楽しみください。
今週は、京都府宇治市白川地区のお茶農家 北村 翔さんをお迎えしました。

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江戸時代から代々京都府宇治市白川地区でお茶農家を営んでいる北村さん家。
お父さんの跡を継いで15代目となった翔さんは、サラリーマンをしながらお茶を生産する兼業農家です。
屋号は山庄北村製茶場というそうです。
朝は抹茶を立てて一服し、外国人人材派遣のお仕事へ出かけていきます。
一見お茶とは関係ない仕事のように思えますが、世界のお茶を楽しんだり、宇治茶の宣伝をする機会も多いんだとか。
2、3カ月に1度仕事でベトナムへ行くという翔さん。
ベトナムでも日本と同じように人が集まればお茶を楽しむ文化があるそうです。

お仕事だけでなく、バックパッカーとして海外にも良く出かける翔さん。
今年のGWにはイスラエルのヨルダンにいる友人に会いに行ったそうです。
中東といえば何となく危険なイメージがありますが、実際は観光大国で、治安も良いんだとか。
どこへ行ってもお茶を出してくれるため、そこからコミュニケーションが生まれて異文化交流が出来たそうです。

翔さんは元々お父さんの跡を継ぐ気はなかったといいます。
お茶だけでは食べていけないのが現状ですし、現在のお仕事や趣味からも窺い知れるように世界に興味があったそう。
でもお仕事でベトナムでの駐在を経験した時に、お茶の価値や自分の育った環境の素晴らしさを客観的に見ることが出来たんだとか。
それから「お茶を通して繋がりが増えるのは楽しい。お茶を極めてみよう」という思いが湧いてきたそうです。

GW明け頃から忙しくなるお茶の生産。
作業時間は長くて4~5時間ほど、自分のペースで行っているんだとか。
生産されたお茶は直接小売りしたり、WEBサイトから購入できるようにしているそうです。
お茶の生産は利益の確保が難しく、卸売価格も30年間で変わっていません。
むしろ下がっている時もあり、色々と無理が出てきているんだそう。
日本ではお茶離れの傾向にある上に、ペットボトルが手軽なので、急須で入れるお茶は特に需要が下がっています。
急須でいれたお茶は何より美味しいし、何度も使えるのでコストパフォーマンスも良いんです。
そんなことを知ってもらうため、WEBサイトやSNSなどをうまく利用し、消費者と繋がっていく必要があるといいます。

山庄北村製茶場のお茶へのこだわりは農薬を使わないこと。
化学肥料も使わず、自然の循環に任せているそうです。
虫がたくさん来るのでは?と思いがちですが、むしろ肥料をあげなくなったら来なくなったんだとか。
でも雑草はたくさん生えるので、農作業のほとんどの仕事は雑草取りなんだそうですよ。

現在ヨーロッパや北米などの健康意識の高い方の間で日本茶がブームなんだとか。
そして悲しい話ですが、日本人より海外の方のほうがお茶生産の裏にあるストーリーなど文化を含めて大事にしてくれる印象だといいます。
茶葉だけでは売れない時代となってしまったので、ライフスタイルの提案なども絡め、かっこいいものとして売り出していきたいと翔さん。
そして生産農家さん達が元気になるサポートや情報発信などの役割を担っていきたいそうです。
現在もバックパッカーの翔さんらしく、全国の生産農家さんを周って横のつながりを作っているんだとか。
宇治だけでなく、全国の生産農家さんが元気なれるよう、お茶文化の担い手として頑張っていきたいと話してくれました。

山庄北村製茶場のWEBサイトはこちら!

宇治市白川地区のお茶農家 北村 翔さんに選曲いただいた音楽も織り交ぜてお届けしました。 

■6/19(水)午後3時放送(再放送は6/19(水)午後9時、6/23(日)午後5時)