まちのラジオ第2週 詩人の王・ロンサールはフランスの松尾芭蕉!?・・・大阪大学大学院言語文化研究科准教授・林千宏さん

2019/07/11

machiradio_190711-1林准教授 / 小松さん / 安藤さん

箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学大学院言語文化研究科准教授・林千宏(はやし・ちひろ)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 小松啓子さん、見学:安藤歴さん)

林さんの専門は、16世紀のフランス文学。
当時のフランスは「ルネサンス」の時代でした。
本家・イタリアのルネサンスは14世紀ごろで、それが陰り始めてからフランスにその流れが来ました。
当時はルターの宗教改革、活版印刷の発明など、文化的に大きな動きがあった時代。
イタリアの支配権を巡るバロア家VSハプスブルグ家の戦争もあり、その過程でイタリアの文化がフランスに持ち帰られたといいます。
そんな時代の詩人の一人に、ピエール・ド・ロンサールがいました。
フランスでは「知らないものはいない」、詩人の王とも称えられ、知名度だけで言えばさだめし「フランスの松尾芭蕉」。
定型詩「ソネ(ソネット)」を定着させ、恋愛抒情詩の基礎を作ったとされています。
特に有名なのが「バラを見に行こう」という詩。

可愛い人よ、見に行こう 今朝曙の日を浴びて深紅の衣を解いた薔薇
この美しい薔薇も 晩には枯れてしまう
花の盛りは短いのだから 今、あなたの青春を摘み取りなさい

「命短し恋せよ乙女」という言葉をほうふつとさせるような詩です。
フランスで「ロンサールを勉強してます」というと「ああ、あの詩の」というくらいの代表作で、この詩にちなんでロンサールという品種名のバラも作られているほどです。

林さんはロンサールを始め、同時代の詩人レミ・ベローなども研究しています。
ロンサールの視野は、他の人たちにくらべてより遠くを見ていたという林さん。
ロンサール自身が、ギリシアの古典に学んでおり、良い作品は時を超えて受け継がれていく、自分の作品も同じように500年後の人たちが見ることになるだろう・・・そのことを自覚していたようです。
「さすがに日本の研究者がフランスに来てロンサールを学ぶなんて、彼自身は思いもしなかったでしょうけどね」

林さんのフランスでの留学先は、南部のモンペリエ第三大学。
中世からの大学都市として知られ、かつては大予言で有名なノストラダムスも学んだといいます。
印象的だったのは「デモが多い」ということ。
学生のデモで大学の校舎が封鎖されてしまい、中庭で先生を囲んで授業を受けたこともあるとか。
また、食べ物で美味しかったのはチーズだそうです。
「有名なロックフォール村の青カビチーズ、日本でも食べたことがありましたが、全然違いました。地元で食べるのはまさに絶品!!!」
フランスに行ったら、ぜひ食べてみて!と絶賛する林さんでした。