まちのラジオ第2週 イノベーションの先進地域・イスラエルについて・・・大阪大学COデザインセンター講師・辻田俊哉さん

2019/08/08

machiradio_190808-1島本さん / 辻田さん
箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学COデザインセンター講師・辻田俊哉(つじた・としや)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 島本奈央さん)

辻田さんの専門は「国際関係論」。
中東のイスラエル・パレスチナの政治関係について研究しているそうです。
辻田さんがヘブライ大学に留学していた2000年頃は、イスラエル・パレスチナの衝突が次第にエスカレートしていった時期でした。
やがて自爆テロがエルサレム市内でも頻繁に起こり始めます。
「煙が上がっているのを見たことがあります」
こんな経験から、辻田さんは紛争の解決について興味を持つようになっていきます。
日本へ帰国後、博士課程の時に、今度は外務省の専門調査員として、2006年に再びイスラエルへ。
テルアビブの大使館で、中東和平の動向を分析する仕事に従事しました。
ちょうどその頃、隣国レバノンとの戦争が勃発。イスラエル領内にミサイルが飛んでくるような状況で、かなり大変な思いをしたといいます。

紛争の絶えない「危険な地域」というイメージがありますが、実はイスラエルはけっこう豊かな国でもあり、現在では一人当たりのGDPが日本を上回っています。
2010年ごろから イスラエルの「イノベーション」が注目され始めました。
グーグル、アップル、フェイスブックといった、名だたるIT企業がこぞって研究拠点を置いています。
なぜイスラエルでは「イノベーション」が盛んなのでしょうか?
「移民によって成立したまだ若い国家で、優秀な人材が世界から集まっています」
資源が豊富なわけではなく、周囲の国家とは対立関係にあるイスラエル。
国を存続させるためには「人材育成が全て!」ということで、教育、特に科学や数学の分野に力を入れています。
多くの国民が2か国語・3カ国語など、多言語を話せるのが当たり前だとも。
イノベーションを生み出す環境には「ダイバーシティ(多様性)」が重要だといいます。
なるべく多様な分野の専門家が集まり、意見を交わすことで、思ってもよらなかったアイデアが生まれ得る・・・。
大阪大学の「COデザインセンター」は、まさにそんな手法を取り入れた教育を行っています。
文学部・医学部・工学部の学生がチームを組んで、プロジェクトに取り組む。
従来の「机と椅子」ではなく、床に車座になって対話するなど、教室のデザインも新しいものが取り入れられています。
ここから、新時代へのイノベーションが続々と生まれるかもしれません。
そんな中で、辻田さんが注目しているのはソーシャル・イノベーション。
イノベーションによる社会課題の解決が、今後の大きなテーマだそうです。
「高齢化、都市化傾向、貧困といった社会問題は、世界的に同じような課題があります」
例えば、途上国の女性や子どもが水を汲みに行く時に、転がして運ぶ容器を開発することで、労力が飛躍的に軽減された事例。
イノベーションには、こうした「デザインの力」が大きな効果を上げるといわれています。

聞き手の島本さんも、10月からイスラエルへの留学が決まっています。
辻田さん、どこかおすすめの場所は?
「遺跡が多く、歴史好きな人にはたまらない場所です。美しいビーチもあるし、実は知られざる『寿司大国』!?テルアビブはにぎやかで開放的なまちだから、ぜひ楽しんでほしいです」
取りあえずは、気を付けて行ってきて!と激励の言葉をいただきました。