関西蓄音機倶楽部会長 野村 誠さん@植田洋子とTea For Two

2019/08/07

ステキなゲストをお迎えして、楽しいトークと素敵な音楽をお届けします。
お茶でも飲みながらステキな午後をお楽しみください。
今週は、関西蓄音機倶楽部会長 野村 誠さんをお迎えしました。

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関西蓄音機倶楽部の会長である野村さん。
19世紀末の蓄音機など、さまざまな蓄音機をコレクションしていて、各所でコンサートなども行っています。
今回スタジオでもミニコンサートを!ということで、ポータブル蓄音機を持ってきてくれました。
こちらは1950年頃にイギリスで作られたもので、これでも若造なんだとか。

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野村さんが蓄音機の魅力にとりつかれたきっかけは、蓄音機のコレクターで有名な品川征郎さんに出会ったことだったと言います。
当時蓄音機でレコードを聴かせてもらい、「ノイズがなってますね」なんて言ったんだと野村さんは笑います。
でも今はそのノイズさえ愛おしいと思うほど、蓄音機に心を奪われているそうです。

持ってきてくれたレコードはとても重厚感のあるものばかりでした。
というのも、この頃のレコードはカイガラムシの分泌するシェラックという物質やさまざまな鉱物を混ぜて作られていたからだとか。
蓄音機といえばエジソンが発明したというイメージが強いですが、フランス人のシャルル・クロという科学者がそれよりも前に原理を確立させていたんだそうです。
その後、色々な人が改良を加えていき、現在の音楽鑑賞に堪えうる蓄音機になっていったそうですよ。
現地でしか聴けなかった音楽が自宅で聴けるようになるというのは本当にすごい発明でした。

蓄音機の針もレコードも、お互い摩耗していきます。
一枚のレコードで大体100回くらい再生すると音が悪くなるそうです。
ろうそくみたいに少しずつわが身を削りながら音を出して楽しませてくれるレコード。なんだか味わい深いですよね。

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蓄音機の良いところ、それは臨場感です。
レコードに刻まれた溝から針が振動を拾い上げ、そのままラッパで拡散しているから生演奏や肉声を聴いているような体験が出来ます。
野村さんのお知り合いのオーディオメーカーの方の中にも、蓄音機で音楽を聴いて「我々がしていたことはなんだったんだろう。音楽を聴くのはこれで十分じゃないか!」と言う人もいたんだとか。

ボランティアでデイサービスなどへコンサートに赴く野村さん。
ご年配の方も蓄音機で音楽を聴くと、ふっと記憶を取り戻したり、歌い出したりするそうです。
また意外にも、若い人も興味を持ってくれる人が多いんだそう。
蓄音機で音楽を聞くのが初めてな人ばかりなので、とても驚いてくれるんだとか。
むしろコンサートをした時に最後まで残って聴いてくれるのは若い人だそうです。
なかなか捨てたもんじゃないですよ、と野村さんは笑っていました。

関西蓄音機倶楽部会長 野村 誠さんに選曲いただいた音楽を蓄音機で再生していただき、お届けしました。 

■8/7(水)午後3時放送(再放送は8/7(水)午後9時、8/11(日)午後5時)