ふらっとちゃっと 専門を越えてゆけ!大阪大学「超域イノベーション博士課程プログラム」

2017/02/12

flat-1(前列中央)竹野さん 猪口さん
大阪大学で環境を学ぶ学生がお送りしているラジオ番組「ふらっとちゃっと」。
大学の先生や留学生をゲストに迎えたり、いま話題のテーマで討論したり、地域で行われている催しに参加して取材したり、毎月趣向を凝らしてお届けしています。
(放送…第2日曜午後2時~3時30分・再放送午後9時、翌月曜午後2時)

■発掘!Osaka University
 大阪大学の先生や留学生をゲストに招いてお話を聞くこのコーナー。
今回のゲストは、大阪大学の「超域イノベーション博士課程プログラム」に所属するお二人。
「猪口絢子です」
「竹野祐輔です」

 猪口さんは、国際公共政策研究科に所属する、修士2年生。
研究内容は、企業の人権責任についてです。
 竹野さんは、理学研究科の修士2年生で、レーザーを使った物性の研究に取り組んでいます。
 完全に文系の猪口さんと、バリバリの理系の竹野さん。
この二人が、机を並べて共に学ぶ…それが「超域イノベーション」なのです。
 大阪大学の、博士課程に進学予定の人を対象に募集が行われ、さまざまな研究科から学年ごとに20人ほどが参加しています。
 授業は金曜日、内容は文・理を問わず。文系の人でも数学の授業を受けたり、美学や映像表現、中には「おもちゃ作り」といったユニークなものも。異なる専門の人同士で、議論したり協力したりしながら取り組むことで、多様な価値観や、自分の専門だけやってたら気付けなかったことを知ることができるといいます。
 大きなメリットがある一方、レポートは普通の授業の3倍で、しかも自分の専門と並行して行われるため、参加する学生は大変忙しくなります。
「それでも、やる価値はあります!」
そう声を揃える猪口さんと竹野さん。
 淡路島でのスポーツ合宿ではこってりしごかれたり、地元の中学生と交流したり。講師としてプロのアスリートやオリンピックのメダリストが来たり、先日は脳科学者の茂木健一郎さんも登場したといいますから、これはすこぶる豪華。
 また、フィールドスタディーとして海外での研修が多いのも、超域イノベーションの特徴です。竹野さんはスリランカ、猪口さんはイスラエルで、それぞれ民族間の対立を目の当たりにしたり、現地の人と交流をしてきました。
 猪口さんは来年、パレスチナに行くことを計画しています。法律関係のサマースクールに参加したり、現地で活動する団体に関わったりしながら、現場を体験してはじめてわかることを吸収していきたいそうです。
 竹野さんは、物理学を好きで学んできましたが、研究者としてそれ一本でやっていくことに迷いを持っていました。超域イノベーションでの関わりを通して視野を広げてきたことで、将来は専門を生かしつつ、いろいろな立場の人に関わる仕事に就きたいとのことでした。

 二人に共通して感じられるのは、未知への好奇心、意識の高さ、意欲の大きさ。
 こうした学生のみなさんが集まって、共に学ぶ「超域イノベーション」からは、将来すごい人材が生み出されることでしょう。そんな期待を抱かせてくれる、猪口さん・竹野さんのお話でした。

flat-2超域を見つめる瞳