毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではカメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
まずはお寄せいただいた質問へのお答えから。
Q.3月に子どもが小学校を卒業しました。
卒業式で証書を受け取ったり、中央の花道を歩いてくる写真を撮ろうと思ったのですが、うまく撮れずに残念な思いをしました。中学校の入学式でぜひリベンジしたいです。うまく撮るコツを教えてください。
A.「うまく撮れない」というだけでは原因が絞り込めませんが、うまくいかなかった原因を推測してお答えします。
「ブレてしまった」という場合。考えられる原因としては、体育館や講堂など会場の問題で明るさが足りなかった、あるいは保護者席が遠いため望遠で撮影したことでぶれた、ということが考えられます。対策としては、ISO感度とシャッター速度を上げることで、ブレを軽減できると思います。
うまく撮れない原因のもう一つは、タイミングを逃してしまうということが考えられます。
スマートフォンやミラーレスなどのように、液晶画面を見ながら撮影する場合、わずかではありますが被写体の動きと画面にタイムラグが生じます。決定的瞬間だと思ってタップしても(シャッターを切っても)間に合いません。対策としては、少し早めに見切って撮影するか、動画を撮影して後でパソコンで決定的な瞬間を切り取るのが良いのではないでしょうか。
ただし、式典の際、動画撮影が許可されているのかの確認や、他の人物を写り込ませないなどの配慮もお忘れなく。
ぜひ入学式では納得のいく撮影ができますように。
それでは今月のテーマは「スマホカメラ、それホント?」
1.2つのレンズが付いたからといって光学ズームではない。
iPhone7plusにレンズが2つ搭載され広角域と標準域の二つの焦点距離
をカバーできるようになったのは進化です。しかし28mmと57mmの二つの「単焦点」レンズが備わっているに過ぎません。
iPhone7plusでのズームは、切り抜いてデジタル処理して拡大しているのです。
ですから、厳密には光学ズームではなく、デジタルズームなのです。
webや雑誌の記事の「光学2倍ズームを備えた」を鵜呑みにするのはいかがなものでしょうか。
最近、画質向上が目ざましく、用途によっては業務使用にも耐えうるレベルになっているからこそ、こうした細部まで知ったうえで使用していただきたいものです。
2.レンズf値が明るくなったから写真が明るく撮れる?
レンズのf値が小さいほうが明るい。というのはご存知の方も多いこと
と思います。
スマートフォンでも、モデルチェンジごとにf値が小さくなっています。しかしそれはレンズが備える物理指標であって、単純に写真も明るく写ることにはなりません。
少なくとも、iPhoneデフォルトのカメラアプリでは、ISOもシャッター
も自分で固定できませんから、それらの要素が変わってしまっているの
にも関わらず、レンズのf値が明るくなったから写真も明るくなったとは
言えないわけです。
3.レンズ焦点距離が更に広角になったから写真が綺麗に写る?
より広い範囲が撮れるようになったというだけのことで、それ以上でも以下でもありません。
4.新モデルになったから色が綺麗?
スマホのカメラは「撮影生データ」ではなく、画像処理を行ったものをjpegデータで保存します。メーカーのさじ加減ひとつでどのようにでも味付けが変
わるのです。
新しいから綺麗という図式は違うように思います。
以上、ちょっと辛口な「スマホカメラ、それホント?」でした。
「カメラとお散歩」毎月第一水曜日 午前11時〜
再放送 当日午後7時40分〜
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いただいた作品には宮本さんからの講評やワンポイントアドバイスがいただけます。
なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなど
なるべく具体的に教えてくださいね。
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816@minoh.netあてにお寄せください。
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(文責:千波留)