毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオにカメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
まず初めに、「カメラとお散歩」あてに作品をお送りいただいた「キリギリスさん」へのご返事を。
「キリギリスさん」は淡路島の花火大会で撮影されたそうです。
まずは花火そのもののお写真。
【宮本さん評】
キレイに広がる花火が捉えらえてよかったですね。
花火がしっかり開いている状態を撮影するのはタイミングが大切で、
実は簡単なことではありません。
三脚があれば露出時間を長くし「軌跡」も残せます。
軌跡が長く残ることで、いきなり玄人っぽく見えますので、来年は
是非チャレンジなさってみてください。
「キリギリスさん」の作品No2
【宮本さん評】
赤い色と黒いシルエットになった船の対比が素晴らしいと思います。
実は、このように色の対比をうまく使う方法は写真表現の王道であり、
結果として大変印象的な作品になりました。
また、構図内の配置もバッチリです。
これからも「対比」を意識なさって撮影をお楽しみください。
上の講評にも出てきた「対比」を意識するための格好の教材は「モノクロ」撮影。
奇しくも本日9月6日は「黒の日」。
今月は「カッコイイ写真?それならモノクロにチャレンジ!」というテーマで
お送りしました。
1.モノクロで撮影する方法
フィルムカメラをお使いの方はぜひ、モノクロフィルムを入手し現像まで
やってみてください。(現在は、なかなか入手が困難になりつつありますが。)
デジタルカメラをお使いの方は、モノクロはフィルムでないと撮れないとか、
スマホだとモノクロアプリを入れないとダメだと思っておられませんか?
実はフィルムカメラでなくても、一眼レフからコンパクトデジカメまで、
現在ではモノクロで撮影できるモードが備わっているはずです。
一例をあげると、Canonの一眼レフカメラであれば、PictureStyleの中に
モノクロモードがあります。ここにセットして撮影すると、自動的に
モノクロ写真が撮れます。
スマートフォンの場合、Androidには、撮影モードの中からモノクロを
選択できるモデルもあるようです。
無い場合は、撮影した画像を見るアプリ内
(「ギャラリー」、iPhoneは「写真」)の中で簡単にモノクロになります。
写真アプリ内で個別に写真を開いた上で、下部4つのアイコンの右から二つ目
(調整スライダーのようなボタン)をタップすれば、そこにモノクロがあります。
こうすれば撮影した画像をOneTapでモノクロに変換することができます。
もちろん、元に戻すことも可能です。ぜひ試してみてください。
サンプル(撮影:千波留 iPhone 7plus)
薄曇りの日、撮影したもの。
2.モノクロで撮影するとなぜ上達するのか
それは「対比」がとてもよくわかるからです。
ふだん、写真に「色」がついているのを当たり前のように見ています。
それがモノクロになると、色の替わりに、明暗差による表現が見えてくるはずです。
たとえばカラーで撮影するとただの白い壁だと思ったものが、モノクロだと
汚れや、太陽の光、逆に影などさまざまなものが意識されるようになります。
3.パソコンでモノクロ処理をするコツ
色々なソフトウエア・アプリケーションが存在していますが、基本的には色情報を捨てて、
明暗差を256階調で表現するデータに置き換えるといった処理が行われます。
ソフトの自動処理では「階調」にも意識を巡らせてください。
具体的には、影の部分を「もっと暗く」したり、逆に「もう少し明るくしてみよう」ということです。
もっと暗くする方向でに処理すると、コントラストが強まりシルエット風になるかもしれません。
モノクロプリントではこれを「硬調」と呼びます。
反対に、暗い部分を明るくすると、コントラストは弱まります。これを「軟調」と呼びます。
言葉を覚える必要はありませんが、硬調にするか軟調にするかによって
同じ構図の同じ写真が、まったく違って見えてきます。
こうして、明暗差を意識していると、初めの「対比」の重要性に気がつくでしょう。
さあ、ぜひ、何か身の回りのものをモノクロで撮影してみてください。
パッと世界が開けるでしょう。
「カメラとお散歩」毎月第一水曜日 午前11時〜
再放送 当日午後7時40分〜
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いただいた作品には宮本さんからの講評やワンポイントアドバイスがいただけます。
なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなど
なるべく具体的に教えてくださいね。
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(文責:千波留)