いくつになっても磁石に夢中…山田善春さんのラジオ科学教室vol.74@エール・マガジン

2017/11/25

yamada-1ガンバッテイルみなさんを応援する土曜日の「エール・マガジン」(14:15on air)、
11月25日(土曜日)は、科学の山田善春(やまだ・よしはる)先生、74回目のご登場!
音声だけのラジオで、毎回果敢に科学の実験をしてくださっています。今回は!?

例によって、いろいろ実験グッズを買い込んで、意気揚々とスタジオに乗り込んできた山田先生。というか、大体いつも意気揚々としていますよね・・・。
今回の話題は、磁石について。
リニアモーターカーは、磁力で車体を浮上させて超高速運行が可能な夢の乗り物。実現すれば、東京-名古屋を40分で結べるといいます。
「実は既に、身近なところでリニアが走っているんです」
それはなんと、大阪市営地下鉄の長堀鶴見緑地線。
えっ、どう見ても普通の地下鉄ですけど?
実は一口にリニアと言ってもいくつか種類があり、普通の電車のように車輪でレールを走りながら、推進力として磁力を用いているのが長堀鶴見緑地線の方式だとか。
・・・今度乗る機会があったら、じっくり見てみたいものです。
yamada-2今回の実験は、クリップを用いた磁化現象。
U字型の永久磁石に、鉄のクリップを近づけると、当然くっつきます。
その先にもう一つ、クリップがくっつきます。
しばらくそうしておいてから、永久磁石を離すと・・・

あれっ?クリップだけなのに、くっついたまま?

これは、永久磁石の磁力でクリップの中の原子の向きが揃うことによって、クリップ自体が磁石となったということです。これは一時的なもので、しばらく経つと磁力が無くなり、クリップは落ちます。

磁石は今や、日常生活のあらゆるところに用いられています。
その代表的なものは、モーター。
身近なものでは、スマートフォン。バイブ機能のためのモーターが内蔵されており、かなり強い磁力があります。
試しに、クリップを吊り上げてみると・・・

「あっ、くっついた!」

これだけの磁力だと、カードの磁気情報に影響を及ぼす可能性があるので、あまり近づけない方がいいのだそうです。
yamada-3磁石の存在は古くから知られていました。
そもそも、英語で言う「マグネット」の語源は、磁鉄鉱の産地である古代ギリシャの地名だといいます。
「地球も巨大な磁石なんです」と山田先生。
地球内部のコア、高熱でどろどろに溶けた金属が対流することによって、磁力が発生しているそうです。
つい先日、千葉県の地層が地球の磁場逆転を示していることから、その時代が「チバニアン」と命名されることになったというニュースがありました。対立候補にイタリアの地名も挙がっていましたが、それを押しのけて見事選ばれたチバニアン。何だか誇らしいですが、そもそもなんで地球のS極とN極が逆転するんでしょうか?

「それはですね。

・・・わかりません」

ええっ、先生でもわからないの?

「科学が進むほど、わからないことが出てくる。
そんな『謎』があるからこそ、科学は面白いんです」

◇山田先生のFacebook
■「エール・マガジン」毎週土曜日14:15~15:00放送(翌週木曜日14:00再放送)yamada-4磁石グッズを手に、記念撮影。山田先生はボール状の磁石がことのほかお気に入りのご様子で、一列につなげて引っ張ったりして、それに名前まで付けて、大層ご機嫌でした。人はいくつになっても、その魅力に引きつけられるものなのですね。磁石だけに。