
大学の先生や留学生をゲストに迎えたり、いま話題のテーマで討論したり、地域で行われている催しに参加して取材したり、毎月趣向を凝らしてお届けしています。
(放送…第2日曜午後2時~3時30分・再放送午後9時、翌月曜午後2時)
■発掘!Osaka University
大阪大学の先生や留学生をゲストに招いてお話を聞くこのコーナー。
今回のゲストは、大阪大学大学院生のこのかた。
「こんにちは、中野勇輝です」
所属は「大阪大学大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻エネルギー量子工学コース 量子エネルギー工学講座 原子力社会工学領域」、唱えているうちにコブも引っ込みそうな長さです。
中野さんが研究しているのは「原子力発電所のリスク評価」。
福島第一原発のように、原子炉の冷却が不可能になるような深刻な事態は、どれくらいの確率で発生するのでしょうか?これについて、現在は基準が存在しますが、それは原発一基に対してのもの。日本の原発は複数基が同じ場所に建設されていることが多いため、実際にはそれらを見込んでの評価が必要になってきます。
日本ではまだほとんど行われていない研究で「大変やりがいのあるテーマです」と中野さん。その一方で、正解というものが無く、見方によって結果が大きく変わってくることになり、そこから確かなものを築くのは大変難しい作業だともいいます。
2017年に短期留学で訪れたアメリカのメリーランド大学で、担当の教授にこれまでの研究を説明したところ「それは現実的では無いね」と一言でバッサリ。さらに英語の論文を10本ほど渡され「これをよく読んで研究テーマを見つけるように」とのお達しが。
大変な目に遭いましたが、研究の方向性も定まり、国際学会に論文も提出することができて、収穫のある留学となりました。
アメリカで感じたことは?
「アメリカの学生の勉強量はすごいですね。日本の学生よりもかなり多く勉強しています」
日本の大学だと、夜遅くまで残って研究というのは普通にありますが、アメリカではまれで、午後6時にはほぼみんな帰っているそうです。
「その分、日中の集中力はすごい。見習うべきだと思います」
中野さんは、身長187センチの長身!
恵まれた体格を生かして、小・中学校ではハンドボール部でゴールキーパーとして活躍しました。高校ではハンドボール部が無かったので、バドミントン部へ。高校から始めたにも関わらず、地区大会でダブルス優勝という目覚ましい成績を残します。
運動も研究も、精一杯やり抜く中野さん。これからどんな道を歩まれますか?
「研究のきっかけとなった、福島第一原発の事故。あのような事態を防ぐためにできることを、これからも考えていきたいです」
