ブレた写真は後から直せる?直せない?@カメラとお散歩

2018/09/05

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオに
写真家 宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、
ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
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今日のテーマは「ブレた写真は後から直せる?直せない?」

動画はある程度のブレがあっても、後から調整して軽減ができます。
現在では、スマートフォンでも、難しい操作をすることなく、加工処理によって
その度合いを軽減してくれるようになっています。
動画のように大きく複雑なデータなのに、どうしてそんなことができるのかといえば、
ブレが時間に沿って動いているからです。
動画は時間に沿って記録されているので、その時間に沿ってブレとは反対側に動くように
後処理すれば、ブレが減ったように見えます。

ところが写真の場合は、一瞬で完結しているので、記録されたものはどのようにしても戻りません。
たとえば、渓流の写真のように、シャッター速度を遅くして水の流れをシルクのように見せる
方法があります。こうした写真は、水の粒などが記録されているわけではなく、
長時間露出をしたことにより、水が布のように重なって見える状態で記録されています。
ですから一旦ブレて記録されてしまったものは戻らないのです。

今では多くのカメラ・レンズに標準装備されている手ブレ補正機能は、シャッター速度が遅い状況で
被写体自体が動いている場合、どうやってもブレを防ぐことはできません。

似たような話として、「撮影した後からピント位置を変える」、
「撮影時点とは違う場所にピントを合わせる」といった機能が、スマホでも実現しています。
これらは、撮影時点で構図内のすべての場所にピントが合ったデータを記録し、各ポイントの
距離データも記録しています。
これを、後から必要に応じて(撮影者の好きなように)ピントの合った場所とボケ感のある場所とを
加工して作り出す仕組みです。
つまり、すべてにピントが合ったデータがあるからこそできることです。

一方で、Photoshopやスマートフォンのアプリの中に「ブレを直す」機能があります。
しかし正確には、ブレを直すのではなく、ブレの軽減というニュアンスです。
実際に行われているのは、輪郭の強調や明暗差を強める、光沢具合を高める、といったことです。
こうした処理を行うことで、シャキッとした印象になり、ブレが弱まったように見えます。
ところが、そのようなアプリでブレていない写真を撮った場合、
エッジがシャープになりすぎて、ギラギラしすぎる写真になってしまいます。

今日のテーマ「ブレた写真は後から直せる?直せない?」の答えは、ブレを目立たなくできる、
という意味では「後から直せる」と言えるでしょう。
しかし最初からブレないように撮影したものと比べると明らかな差が生じます。
適当に撮影してもあとからなんとかなる、という少し後ろ向きな考えではなく、
自分の撮りたいイメージに近づけるように撮影することも写真の楽しみの一つです。
少しだけ意識して取り組んでみてください。

宮本さんの過去アーカイブはすべて公開されています。
写真に少しでも興味を持たれた方は
宮本さんのウェブサイトをご参照ください。

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再放送 当日午後7時40分〜

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(文責:千波留)