ステキなゲストをお迎えして、楽しいトークと素敵な音楽をお届けします。
お茶でも飲みながらステキな午後をお楽しみください。
今週は、左手のピアニスト 有馬圭亮さんをお迎えしました。
大阪教育大学在学中に局所性のジストニアを発症した有馬さん。
現在は左手のピアニストとして活躍している有馬さんがピアノを始めたのは4歳の時でした。
お母さんが幼稚園の先生をしていたため、昔から家にアップライトピアノがあり、身近だったのだとか。
お兄さんがピアノを先に始めたのを見て、「自分もやりたい!」と言い始めたそうです。
でもプロのピアニストになりたいと思い始めたのは、意外にも大学に入ってからなんだそう。
最初は音楽の先生になろうと思い、大阪教育大学に入った有馬さん。
でも右手を故障してからは、プロのピアニストへの思いが強くなったのだとか。
大学三年生の時、今まで弾けていた曲がだんだんと弾けなってきました。
そしてその原因は、局所性のジストニアという神経系の病気だと判明しました。
お医者さんには治ると言われ、当時は落ち込みもしなかったそう。
リハビリを続けながら学生生活を送っていて、1年ほど経った頃。
昔のようなピアノでの細かい動きはまだ出来ないにも関わらず、お医者さんに「治った」宣言をされてしまいます。
その時の気分の落ち込みは本当にどうしようもないものだったと有馬さんは語ります。
でもそんな時に、左手のピアニスト・智内威雄さんに出会ったのだそうです。
智内さんに「左手のピアノ初級者のための曲を書いてみない?」と言われて、有馬さんは挑戦します。
完成した曲を智内さんが演奏会で弾いてくれたそうです。
その曲を聴いた方の「涙が出るほど素晴らしかった」という言葉に有馬さんは「左手だけでこんなに人を感動させることが出来るんだ」と思いました。
その頃にはもう両手演奏へのこだわりはなくなっていたそうです。
左手のピアノ曲を演奏する時はペダルを駆使します。
音の響きを重ねることで、たくさんの音が鳴っているように聴こえます。
ペダルを使って音をにじませる手法は、実は左手だけの方が濁りが少なくきれいなんです。
また同時に鳴らせる音が少ない、という制約も俳句や短歌のような美しさがあります。
「弱点もまた、良さになるんです」と有馬さんは語りました。
来る11月2日(金)、3(土)、4(日)には世界初の「左手のピアノ国際コンクール」が開催されます。
実行委員長は智内威雄さん。有馬さんも実行委員としてこのコンクールに関わっています。
プロフェッショナル部門とアマチュア部門に分かれており、合わせて50人もの方がエントリーしているそう。
日本の方だけでなく、タイやイギリスなど外国の方も参加されるのだとか。
さらに普段は両手で弾いているけれど、左手のピアノに魅力を感じて参加してくれる方も多くいるそうです。
4日(日)には入賞者の方と智内威雄さんとの記念コンサートもありますよ。
「左手のピアノ国際コンクール」について、詳しくはこちらをご覧ください。
左手のピアニスト 有馬圭亮さんの演奏された音楽も織り交ぜてお届けしました。
■9/19(水)午後3時放送(再放送は9/19(水)午後9時、9/23(日)午後5時)