毎週土曜日あさ11時よりメイプルホールロビーから公開生放送でお送りしている「みのたんらじお 」(箕面市提供)
ゲストをお迎えして楽しいおしゃべりで過ごす1時間です。
さて間もなく東日本大震災発生から8年を迎えるとあってこの日は「改めて箕面から被災地支援を考えよう」と、被災地支援活動を続ける2組の団体からゲストをお迎えしてお話を伺うSPみのたんらじおでお送りしました。
まずご登場いただいたのは大阪大学災害ボランティアサークル「すずらん」から工学部地球総合工学科建築工学コース2回生の坂本樹さんです。
すずらんは2011年東日本大震災直後に発足し、岩手県九戸郡野田村を中心に支援活動を行なっています。すずらんの名前の由来は花言葉の「幸福の再来」から名付けたそうです。
先輩たちが震災直後に野田村へ向かった時はがれきの撤去など肉体労働が多く、物資の提供などの支援が主な活動でした。そこから村の人々との交流が生まれ、美味しい食べ物や暖かい皆さんの人柄に触れ、野田村の暮らしを体験するツアーを実施し、民泊し、語らい思いを共有する事でできる支援へと変わっていきます。坂本さんも何度も野田村を訪れ、「おかえり」「ただいま」と親戚の家に帰ってきたように力の抜けた交流を続けています。そして今は住民の皆さんと色々話しながら、年2回心に寄り添う活動をしています。
また昨年は本当に災害の多い年となりました。西日本豪雨直後は岡山県真備町に入り、泥やがれきの撤去作業をし、その後何度も現地に入って活動を続けています。川の氾濫によって全く違う世界になった光景を目の当たりにしました。豪雨被害で泥にまみれて汚染された家をどうするのかが本当に地変だということを考えさせられたそうです。
ある時、大学内で吉備出身の学生さんから「いつもありがとうございます」と声をかけられました。「自分たちの活動を見ていてくれたんだ。気持ちが届いてるんだ」と嬉しくなった瞬間でした。
大阪北部地震では坂本さんの住む小野原地域も被害が出て、ご自分も避難所で3日間過ごしました。そこではたくさんの留学生が不安に駆られていて、あまり得意ではない英語でしたが一生懸命コミュニケーションを取って留学生への支援にあたりました。
そしてすずらんでは子どもたちに向けて防災教室も定期的に開催しています。昨年災害が多かったので依頼もかなり増えたそうです。
最後に坂本さんがすずらんの活動に参加した理由を伺うと、「尊敬できる先輩たちと一緒に意味のある活動をしたいと思っていた時にすずらんを知りました。災害発生後は困っている人がたくさんいると思うと早く駆けつけたい。でも決して無理はせず、行きたいから行くし、やりたいから続けられるんです。目の前の一つ一つをやっていきたいです。あと自分はお笑いがとても好きなので、漫才を披露したりしてお笑いを通して楽しく交流しています。」
大阪大学災害ボランティアサークルすずらんの活動はHPでも知ることができます。若い人たちの力と行動力に心が動かされます。
2組目は日本ユネスコ協会連盟箕面ユネスコ協会の坂口一美会長にお越しいただきました。
すずらんとは被災地支援の現場で何度も会っているそうで、「しっかりした坂本さんの後は話しにくいわ〜」と茶目っ気たっぷりな坂口さんです。
箕面ユネスコ協会は2013年に箕面から東日本大震災の継続的支援を目的に発足しました。坂口さんの故郷が宮城県気仙沼ということもあり、気仙沼、陸前高田、三陸町の支援を行なっています。
放送日の翌日の3月10日にはみのお市民活動センターにて市民活動フォーラムさんと協力して東日本大震災復興支援イベント「3.11を忘れない」を開催します。チャリティーコンサートや気仙沼などの特産物販売、募金活動、写真パネル展など内容盛りだくさんです。
またイベントの中坂口さんがアサンプション国際高等学校の学生さんとともにプレゼンテーションする時間があります。これは坂口さんが被災地支援を伝える授業を行った縁で、自分も被災地を訪ねたいと希望したいと学生さんと実際に岡山県吉備町で行った西日本豪雨災害の現場で見て感じたことを紹介してもらいます。「大事なのは本物の体験をすること。実際に経験してわかったことを伝えていくこと」と坂口さんはおっしゃいます。
そして「3・11や1・17やそれぞれの災害が起こった日は毎年来る日です。何が起こったかを忘れない日だけでなく、命の大切さを考える日にしたいと思っています。子どもたちには災害で命を落とした人たちのことも、いじめを苦に自殺してなくしてしまう命があることも知って、改めて命の大切さについて考える日にして欲しいと願います。」と話してくださいました。
坂口さんや箕面ユネスコ協会の皆さんは被災地支援をはじめ、途上国での識字率向上のための活動など各地を飛び回っていらっしゃいます。
「行きたいから行く。楽しいからボランティア活動をする。」という姿勢はすずらんの皆さんと同じでした。
特産物を購入する。旅行で訪れてみる。美味しいから、楽しいから、無理せず自分にできる被災地支援があることを改めて教えていただきました。
2019年3月9日(土)あさ11時放送「SPみのたんらじお」