
今回は大阪大学COデザインセンター准教授・八木絵香(やぎ・えこう)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 桑江良周さん)
科学技術が発達し、複雑・高度化した現代の社会において、それは本当に安全なの?と不安になるものが増えてきました。
例えば、原子力。
発電所の安全性を考えるだけでも、原子炉物理学、材料学、建築学、土木学、地震学・・・など、さまざまな分野の知識が必要になります。さらに、原子力を取り巻く情勢なども考慮する必要があるでしょう。
各分野に専門家がいて、その専門家の間でも意見が分かれたり、そうした情報を総合的に判断することは可能なのでしょうか?
そこで必要になるのが、八木さんが専門とする「科学技術コミュニケーション」。
実際に、原子力について考えるイベントを開催し、専門家や推進派・反対派がコミュニケーションする場を八木さんは作っています。
その際、対話の目的や運営のルールから、話し合って決めて行くことが大切だといいます。
他にも、ワクチンの予防接種や、車の自動運転など、新たに考えるべき問題は日々生まれ続けています。
昔は専門家だけが持っていた知識は、情報技術の発展により、社会で広く共有されるようになりました。
こうした中で、科学技術を理解することの重要性が高まっています。
そのため「科学技術コミュニケーション」も、今後より注目されていくことが予想されます。
自らを「媒介の専門家」という八木さんの存在も、ますます重要になっていくことでしょう。
高校まではバレーボール部、大学では書道部に所属し、幼少の頃から習っていたエレクトーンは指導者の腕前という、文武両道の八木さん。家に帰れば母親でもあり、仕事と家庭で「私のオフはいつあるの?」というほど忙しい毎日を送っているそうです。
とはいえ、お子さんも成長につれて手がかからなくなり「それはそれで淋しい」とも。
番組では「うちの子が好きなので」と曲のリクエストもいただきました。
…八木さん、ひょっとしてカラオケに行ったりもされますか?
「はい!実は大好きなんです」