『しあわせの道しるべ』(30分番組)
第2日曜 15:30〜
(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)
誰にでもある人生のターニングポイント。
そのとき、何を感じ、どう選択していったのか。
フリーライター・コーディネーター 中村のりこが、
公私で出会う素敵な方々を毎月ゲストにお迎えして、
その方の人生の転機についてお話を伺っていく対談番組です。
大きな波を起こすものではないけれど、
ラジオを聞く人の心に、小さな道標ができる。
そんな番組をめざしています。
今回のゲストは・・・
藤本年朗さん
なつめ薬局(桜ヶ丘)代表
箕面・千里中央ロータリークラブ会長
NPO I FOR YOU Japan 理事
<藤本年朗さん プロフィール>
なつめ薬局代表(「健康タウン箕面」掲載記事はこちら)
箕面千里中央ロータリークラブ会長
NPO I FOR YOU Japan 理事
昭和63年 大阪薬科大学卒業
昭和63年〜平成9年 日本レダリー株式会社勤務
平成11年 なつめ薬局開業
箕面市薬剤師会会長、大阪府薬剤師会理事などを歴任し、現職。
奉仕活動が生き甲斐に
薬剤師をはじめ、沢山の肩書きを持つ藤本先生。
まず、その中のひとつ。
「箕面千里中央ロータリークラブ」の活動について、お話しいただきました。
会員は、経営者、医師、弁護士など、多職種で成り立っているのだそうです。
ロータリークラブは、1905年アメリカのシカゴで4名の弁護士たちが創設した、今や世界的規模の慈善団体です。
箕面市内にも複数のクラブがあり、「箕面千里中央ロータリークラブ」の現在の主な活動としては、箕面市・彩都にある子育てサロン「にじいろひろば」、スリランカのネセック財団の里親制度、海外からの来日留学生の受け入れなどの経済支援を行っているそうです。
藤本先生自身、活動で奉仕する中で、その楽しさが生き甲斐にもなってきました。
父親の借金返済のために退職
現在は、薬剤師としてなつめ薬局を経営する藤本先生ですが、元々は外資系製薬会社に10年間勤務されていました。
ところが、父に事業での借金があることがわかり、体調の悪くなった父に代わり、その返済活動のために、会社を退職することを決意します。
当時あった資産の売却や手続きや返済に奔走。
ついに数年かけて無事完済!
本当に大きな人生の転機でした。
苦しい思いをして返済する中で、出会った人々の助けがあってこそ、初めて完済できたと話します。それまでの人生経験の中で、大きくて様々なことを学んだ期間でした。
そして、その経験こそが、今の自分を作っていると振り返ります。
返済が終わって、生活の糧のために何ができるか考えたときに、持っている薬剤師という資格を生かして「なつめ薬局」開業を決心。20年前のことです。
その後、院外処方の時代が到来し、箕面市でもいち早く院外処方を取り入れた箕面市立病院などからの患者さんも多く来院するようになり、藤本先生の「なつめ薬局」は多忙になっていきました。
「なつめ薬局」開業で学んだこと
薬局は、ただ単に一般薬を販売したり、処方したりする場所ではないと藤本先生は考えています。
「本来薬局がするべき仕事は、お悩みの相談を聞いたり、薬剤師として持つ知識をお伝えしたり、自分が調べられることは調べたりして、お伝えすることだと思っています」
ともすれば、来院した方のお悩みを半日近く聞くこともあるとか。
それだけ、藤本先生を専門家として信頼し、お医者さんには言えないことも相談しに来られるのだと感じます。 藤本先生自身も、こんなに苦しんでいらっしゃる方が、世の中にはいらっしゃるのだと痛感したといいます。
NPO I FOR YOU Japanの理事でもいらっしゃる藤本先生。
理事長・森一郎Dr.とのNPO設立の経緯では、子育てサロンを支援する方法がNPO設立にも生かせると考え、箕面市登録ボランティア団体として動き始めたのだそう。
すべての経験がつながっていくのですね。
人生に無駄なことなんかひとつもないのだということを感じます。
社会貢献する気持ちの基
「借金返済の時に助けていただきました。あの時、人に対する感謝の気持ち、生かされているという気持ちを学びました。恩返しというわけではありませんが、何かできないか。ひとつでもいい、ひとりのためだけでもいい。この方のために何かできないかということを考えるようになりました」
大きな借金返済を色々な方々に助けてていただきながら、数年で完済した藤本先生。あの時の感謝の気持ちが、今の社会貢献活動につながっています。
「その後も出会う人たちが素晴らしい方ばかりで、私はしあわせな人間だと思います」と藤本先生。
多忙な中での社会貢献活動。まずは、目の前にあることをやっていくことが大事です。
NPO I FOR YOU Japanで実施している「がんサロン」「がん遺族の集い」での場づくりで、苦しい思いを共有したり吐き出すことで、少しでも楽になっていただければ・・・と話されました。
【藤本年朗さんからの“道しるべ”メッセージ】
私がある悩みを抱えているときに、ある漢詩に出会い、非常に心が癒された記憶があります。
陶潜(陶淵明 雑詩 其の一)
人生無根蔕
飄如陌上塵
<訳>
人生は根っこのようなものがないですよ。
飄々としている様は、道上をさまようちりのようなもの
という漢詩の一節です。
何か岐路にさしかかっているときというのは、どっちを選んでいいかわからない。
どっちに行ったとしても、人生というものは元々そういったものなので、あれこれ悲嘆したり、後悔したり、惑わされない。自分で自分を苦しめないでして欲しいなという風に思いますね。
人生はそんなに捨てたもんじゃないよという風な形で生きて行ければなと思いますし、人とのつながりで、本当に感謝の気持ちで生きていれば、本当に困ったときに、人の手がパッと差し伸べられていることに気がつくと思います。
そういう気持ちでいられれば、私自身は幸せかなと思っております。
本当に人は一人では生きていけません。
人への感謝の気落ちは忘れずにいたいです。
藤本年朗さん、ありがとうございました♪
次回の『幸運(しあわせ)の道しるべ』は…
8月11日(日)15:30〜
(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)
次回もお楽しみに!
(文責:中村のりこ)