箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学大学院文学研究科助教の礒谷有亮(いそたに・ゆうすけ)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 小松啓子さん)
大阪出身の礒谷さん、子どもの頃から考古学に興味を持ち、その道を進んでいましたが、途中から美術史の研究へと華麗なる転身!
作品に込められた意味を読み解く「図像学」の面白さに魅せられたのがきっかけで、西洋美術史の中でも写真史を専門に研究するようになりました。
「両大戦間期(1920~30年代)のフランスにおける写真の展開、が主なテーマです」
有名な所では、ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」など。
フランス語と英語に堪能な礒谷さんは、長い海外経験をお持ちです。
フランスへ1年間の交換留学、そしてアメリカ留学は6年半。
フランスの研究なのに、なぜアメリカへ?
「いろいろ縁があって、ということなんですが、結果的にフランスを外から見ることに研究者としてのメリットがありました」
もしフランスに行ってフランスにどっぷり漬かっていたら、どうしてもバイアスがかかってしまう(見方がフランス寄りになる)。日本人がアメリカでフランスの研究をすることで、いろいろな視点から文化を比較し、相対的に見ることができるとのことでした。
アメリカではニューヨーク市立大学で学びながら、同時に教師として美術史も教えていたという礒谷さん。
聴講する学生は年代も家庭環境もさまざまで、職業を持ちながらという人も珍しくなかったといいます。
そんな中で、礒谷さんの心に残っているのは、一人の男性でした。
恐らく兵役帰りの、どこか強面でいかつい男。授業態度は真面目でしたが、終始仏頂面で授業を受けていました。
その彼が、ある日の課題提出のあと、ツカツカと教壇へ歩み寄って来ました。
(やばい・・・殴られる!?)
思わず身構えた礒谷さんに、彼が言ったのは思いがけない言葉。
「先生、ありがとう!」
授業の課題というのは、美術館で一つ作品を選んでレポートを書くというもの。その彼は、小学生の娘を連れてメトロポリタン美術館へ行きました。
「授業で習った美術の話を、娘にしてやったんだ。そしたら面白い!って喜んでくれて。先生のおかげだよ!」
自らを多言語マニアと称する礒谷さん。英語・フランス語はもとより、ラテン語や古代ギリシャ語の勉強も続けているそうです。
聞き手の小松さんも古代ギリシャ語を学ぶ同志とのことで、その難しさや魅力について、しばし会話に花が咲きました。

