箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学共創機構社学共創本部准教授の松永和浩(まつなが・かずひろ)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 桑江良周さん)
※松永さんの前回の出演
まちのラジオ第二週(2012年11月8日放送)
前回の出演から、およそ7年あまり。再びタッキー816のスタジオに、松永さんをお迎えしました。
そのときは大阪大学総合博物館の企画展「ものづくり上方”酒”ばなし」について、詳しいお話を伺いました。
「灘の酒」など、古くから酒造りの中心地である関西。その古代から近現代までの酒造りを網羅した、見ごたえのある2012年当時の企画展でした。
そのことが、思わぬ方面に波及します。
「NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の考証を担当することになったんです」
日本のウイスキーの父・竹鶴政孝をモデルに制作されたドラマ。
クレジットには松永さんの名前が「洋酒関係資料提供」として流れました。
実際には、劇中での酒造りについて、送られてくる台本を念入りにチェックします。
修正を繰り返して台本が完成しますが、ある回で酒造りの時期が間違っていることに、最終版を読み返しながら気付いて、あわや・・・ということも。もう少しで、間違ったまま放送されるところでした。
●佐治敬三展
2019年に、大阪大学総合学術博物館で、こんな展示が行われました。
サントリー第2代社長・佐治敬三生誕100周年記念展
「大阪が生んだ稀代の経営者 佐治敬三”百面相”」
大阪帝大で学び、サントリーの二代目社長としてウイスキーブームを巻き起こすなど、財界をリードするとともに、文化や学術にも深い造詣があり、各方面に大きな影響を与えた「巨人」。そんな佐治敬三の生涯と業績を遺憾なく紹介する、松永さん渾身のプロデュースでした。
準備に3年もの時間をかけ、前回の企画展で集めた資料や人脈も生かしての展示は、一般の社会人も多く来場するなど、反響を呼びました。
●『緒方洪庵と適塾』・・・大阪大学におけるクラウドファンディング
松永さんは現在「適塾記念センター」に所属しています。
幕末の医師・緒方洪庵が大坂に開いた私塾、それが「適塾」です。
ドラマ『Jin』にも登場して注目された緒方洪庵、門下には福沢諭吉を始め明治の日本を動かした大物がごろごろしていました。
適塾の建物は大阪市内に現存しており、大阪大学が運営する「適塾記念センター」がその管理を行っています。
洪庵の業績を紹介した書籍『緒方洪庵と適塾』について、新版がこのたび大阪大学出版会から出版されました。
クラウドファンディングで費用を集めての出版で、目標額の1.5倍を達成するという快挙は、改めて緒方洪庵への注目度を感じさせてくれます。
適塾出身者が今後生誕200周年を迎えることもあり、その展覧会もやってみたい・・・。
松永さんの忙しい日々は、これからも続きそうです!
大阪大学出版会『新版 緒方洪庵と適塾』