ステキなゲストをお迎えして、楽しいトークと素敵な音楽をお届けします。
お茶でも飲みながらステキな午後をお楽しみください。
今週は、絵本「パパの柿の木」の著者 谷口真知子さんをお迎えしました。
1985年の8月12日に起こった「日本航空123便墜落事故」から、今年で35年が経ちます。
真知子さんはその事故で最愛の夫、正勝さんの亡くしました。
当時真知子さんは、仕事でつくば万博に出張していました。
仕事が終わって21時頃に、家に電話をするのが日課になっていたそうです。
その日もいつものように電話をすると、中学一年生と小学三年生の息子さんしかいない様子。
どうやら飛行機が落ちたらしいということを知っていた息子さんは「パパ、飛行機に乗ってないよね?」と不安げにしていたそうです。
上司の葬儀ために上京していた正勝さん。
同僚の奥さんに連絡を取ると「二人は123便に乗ると言っていた。正勝さんももうだめですよ」と号泣。
それを聞いて、真知子さんは意識を失ってしまったそうです。
正勝さんは気丈にも、飛行機の中で真知子さんへメッセージを遺していました。
備え付けの紙袋にシャープペンシルで書かれた「まち子 子供よろしく」という一言。
免許証と一緒に、ボタンの付いたポケットにしっかりと入れられていたそうです。
そして正勝さんはもう一つ、真知子さんや息子さんに遺したものがありました。
それが柿の木です。
亡くなる5年前に、正勝さんが「庭で出来た果物を子どもたちに食べさせるんだ!」と言って、1mもない棒のようなものを植えていたといいます。
その柿の木が、正勝さんが亡くなった年の9月末に実を付けたのを次男が見つけたんだそう。
長男はそれを見て「パパからのプレゼントだ」と言ったんだとか。
真知子さんも正勝さんの遺志を感じたといいます。
遺書と柿の木に、頑張る元気をもらえたと真知子さんは語ります。
その柿の木が登場する絵本「パパの柿の木」。
この絵本を作ろうと思ったのは今から5年前のこと。
そのきっかけが、お孫さんの「パパのパパに会いたかったな」という一言だそうです。
自分がいなくなったら正勝さんのことを伝えられなくなるのではないかという思いが湧いてきた真知子さん。
デザイナーさんに相談して、身内だけで読めるように、初めは小さな冊子の形式で作ったんだそうです。
でもテレビや新聞などで紹介されたことにより、欲しいという声を多くもらいました。
そして人に販売出来るように、1年かけて一からA4版に作り直したんだそうです。
色々なところへ、その絵本を読み聞かせに行くなかで、真知子さんは箕面J-POP大使の北川たつやさんに出会います。
お互い読み聞かせと歌で、箕面東小学校創立50周年記念のイベントにゲスト出演した時でした。
真知子さんの息子さんも北川さんも箕面東小学校出身。
そしてこの事故は北川さんが生まれた年に起こったという不思議な巡り合わせもありました。
この出会いをきっかけに絵本をテーマにした楽曲「茜空」が生まれます。
北川さんが、真知子さんにたくさんインタビューを重ね、半年掛けて作られたこの曲の歌詞は特に必見です。
茜空が出来てから1人でやっていた読み聞かせも北川さんと一緒に行けるようになって感謝していると真知子さん。
御巣鷹山への慰霊登山も毎年一緒に行っているそうです。
そして今年の慰霊登山では「パパの柿の木」の英訳版の完成も報告したそうです。
英訳版の「パパの柿の木」は箕面市の小野原にある千里国際の学生さん達8人が翻訳をしてくれたといいます。
7月に完成したばかりのこの本は、アメリカのボーイング社へ献本するんだそうです。
ボーイング社の修理ミスが原因だと言われているこの日航機事故。
小さなケアレスミスが多くの命を奪い、たくさんの人の運命を狂わせるということを知ってもらいたいと真知子さんは語ります。
正勝さんがいた時には気付かなかったという、「ありきたりな毎日がどれだけ大切か」ということが、真知子さんの絵本できっとたくさんの人に伝わると思います。
読んでみたいという方はこちらの「パパの柿の木オンラインショップ」からご購入ください。
谷口真知子さんに選曲いただいた正勝さんとの思い出の音楽も織り交ぜてお届けしました。
■8/5(水)午後3時放送(再放送は8/5(水)午後9時、8/9(日)午後5時)