しあわせの道しるべ:第58回(8/9放送)高部久宇さん(アメリカ在住・NLPカウンセラー)

2020/08/09

『しあわせの道しるべ』(30分番組)

第2日曜 15:30〜
(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)

誰にでもある人生のターニングポイント。
そのとき、何を感じ、どう選択していったのか。

フリーライター・コーディネーター 中村のりこが、
公私で出会う素敵な方々を毎月ゲストにお迎えして、
その方の人生の転機についてお話を伺っていく対談番組です。

大きな波を起こすものではないけれど、
ラジオを聞く人の心に、小さな道標ができる。
そんな番組をめざしています。

今回のゲストは・・・
アメリカ在住 NLPカウンセラー 高部久宇(タカベ・キウ)さん

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高部久宇(タカベ・キウ)さん プロフィール>
東京出身。アメリカ在住。
高校卒業後に渡米し、アメリカの大学を卒業。
現在、年間約1000人のクライアントを抱え、男性心理と女性心理の両面を理解する、独自の視点と方法で、潜在意識からの真の癒しを起こすヒプノセラピスト、NLPプラクティショナー、ライフコーチ&カウンセラーとして、アメリカを中心に活動中。

長年手放せなかった課題を解決に導く異色のカウンセラーとして、有名俳優や歌手、ビジネスマン、主婦にいたるまで、口コミで予約が埋まる人気セラピスト。

米国催眠士協会(IAPCH)公認カンバセーショナル催眠療法士
米国催眠士協会(NGH)公認催眠療法士
米国ICPCH協会公認(H) NLPプラクティショナー
米国ICPCH協会公認ライフコーチ&カウンセラー

【趣味】
旅行、写真、自然とのふれあい、アメリカ横断クロスカントリー(車のみで現在までに7回の全米横断を達成)


今では年間約1000人のクライアントにセッションを行うセラピストとしてカウンセリングを行っていらっしゃる久宇さんですが、元々はアメリカの大学で経営学を専攻され、卒業後はビジネスマンとして働いていらっしゃいました。

今回は、ZOOMでのリモート収録で、アメリカと箕面のスタジオを結び、そんな久宇さんの人生の転機についてお聞きしました。

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孤独だった幼少期

ホステス・バーを経営するシングルマザーの母に育てられた久宇さん。
夜のお仕事のため、夜中に目が覚めて「ママ〜」と呼んでも誰もいない真っ暗闇の中、恐くて不安でどうしようもない時間の繰り返しの毎日を過ごしてきました。
3〜4歳の子どもだけが夜の家に置かれているという状況を、想像するだけで心が痛みます。
そんな久宇さんの心に刻まれた”孤独”や”不安”というトラウマは、大人になっても消えるものではありませんでした。

小学校でも、中学校でも、母親が夜の水商売であるというだけで、周囲の人たちからは白い目で見られたり、心ない言葉を投げかけられたり、久宇さん自身もいじめの対象になるなど、とても辛い時期を過ごしてきたそうです。

それでも大好きだったお母さん。
過ごす時間は人よりも短いかも知れないけれど、その分、愛情深く育ててくれたことが、久宇さんにとっては心の支えでした。

そんな幼少期が過ぎ、高校に進学した久宇さんでしたが、卒業間近になると、その将来を心配した母が、我が子を谷に突き落とすかのように、半ば強制的にアメリカ留学を決めたのです。
「しっかりと自立した人間として生きて行って欲しい!」
そんな母としての思いがあったのかも知れません。

家庭環境のせいで、幼少期から近所や学校で白い眼を向けられてきたことがフラッシュバックしました。
「周囲を見返してやりたい」「将来、母を楽させてあげたい」
そんな気持ちから、最初は抵抗していた久宇さんも、最終的には留学に同意。不安でいっぱいの留学生活が始まりました。

渡米後、英語学校を終了した久宇さんは、そのままアメリカの大学に入学します。
「英語を少しでも早く身に付けたい、ネイティブに近づきたい」という思いから、他の日本人学生とも決して日本語を使わないという徹底した学生生活を送りました。
「今考えると嫌なやつですよね〜」と笑う久宇さん。
いえいえ、当時の決意がヒシヒシと伝わるエピソードですよ!

突然の母の悲報

大学を卒業する頃には、日本でもバブル時代が崩壊を迎えていました。
お母様のホステス・バーも経営がうまく回らなくなり、それまでキラキラとした生活をしていたお母様の暮らしぶりも急変したそうです。

そんな理由もあり、卒業後は帰国せず、すぐにマンハッタンで就職。
「少しでも早く仕事で成功を収め、母に楽をさせてあげよう!」と、日本から遠く離れた地で一人がんばっていた久宇さんでしたが・・・

ある日、青天の霹靂ともいえる一報が入ります。
それは、最愛の母の急死の連絡でした・・・

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NLPとの出会い

「いずれは一緒に住んで母を楽にさせてあげたい」
そのためにがんばっている中での出来事でした。
生きる目的やモチベーションを失い、深い悲しみと絶望感の中で、人生の暗闇を彷徨い続ける時期が続きました。
アメリカでは、日常的に心身を整えるために、気軽に心理カウンセリングや、セラピーに通う人が多いのだそうで、久宇さんもどうにかしてこの垂れ込めた暗雲を晴らしたいと、藁をもつかむ思いで、さまざまな心理セラピーやカウンセリングにも通いました。しかし、一向に救われないまま年月が過ぎるばかりだったそうです。

そんなある日、NLP(神経言語プログラミング)というそれまで未知だった分野の療法に出会い、自らの潜在意識が持つ無限の能力の存在を知ることになります。
これが、人生を変えたNLPとの出会いでした。

このNLPを通じて、驚くべき体験をします。
「今まで決して晴れることのなかった頭上の厚い雲が、この時、初めて開けていったんです」心の闇がぱ〜っと晴れる体験に、「あれ?こんなこともあるんだ!」と驚くと共に、日常が再び輝きはじめたことを体感したのでした。
自分でも信じられない体験をした久宇さんは、同じような暗闇にいる人たちにも光を感じて貰いたいという思いから、自らNLPとヒプノセラピーの資格を取得することを決めました。

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NLPカウンセラーとしての人生

初めはクライアントを「アメリカに暮らす日本人」に絞っていたそうですが、そのうちに口コミで話を聞いたというアメリカ人がセッションを受けに来るようになりました。

そして、10人、20人、30人とその数が増えていくうちに、文化や習慣は違えど「心の内に感じているものは、どの国の人も同じ」ということに気がつき、アメリカに暮らす世界各国の人々のセッションを行うようになったのです。

「教うるは学ぶの半ば」というように、セッションを何百、何千件とこなしていく内に、本や学校で学べる以上の「人間の心の動き」や、不安、対人恐怖、無気力、虚無感、怒り、絶望感などの「発症の仕方」などが、手に取るようにわかるようになった久宇さんは、それぞれの対処方も独自に発見・開発していきます。

久宇さんは、そのクライアントさんの人生を自らも体験するように、一緒に痛みを経験するくらい集中してセッションを行います。そして、最後には心を晴らして帰っていただくのだそうです。そうすることで自分自身も「心が晴れる喜び」を追体験し、自分事として喜びを分かち合うことができるのだというから、いかに全身全霊でその方に対峙しているかが伺えますね。

これが、現在、多くのクライアントから切望されている、久宇さん独自の潜在意識に働きかけるカウンセリング術なのですね。

心の問題の解決などの相談が多い一方、歌手や俳優などがステージで自信を持ってパフォーマンスができるようになるための「ライフ・コーチング」も手がけ、数多くの有名人もセッションを受けに来られているそうですよ。

もしかしたら、あの有名人のあの素晴らしいパフォーマンスも、久宇さんのセッションから生まれているのかも知れませんね。


高部久宇さんからの“道しるべ”メッセージ】

日本人の方は真面目な方が多いので、すごくたくさん考えて悩んで・・・ということがあると思います。でも、そうすることで自分の気持ちが解放されることは少ないので、例え失敗しても(例えば、友だちとの関係を崩すようなことを言ってしまっても)、
「ま、いっか」という感じで次に進んでしまいましょう!

これはいつもアドバイスさせていただいていることなのですが、そのことをずっとクヨクヨと考えていてもどうにもならないし、悩むくらいなら、「ま、いっか」と前を向いてしまう。そういう風にできるようになれば、もうちょっと楽に生きれるようになると思います。

決して人のことを気にするなとか、そういう意味ではないんですよ。自分が幸せでない限り、自分が暗い雰囲気を漂わせていると、周りの方にも影響してしまいますよね。できるだけ自分を明るい雰囲気で包んであげて、明るい雰囲気を醸し出して、周りの方に良い影響を与えられるようにしましょう。そのためにも自分の心が楽になって、自分が幸せになることが一番だと思いますのでね」

本当にそう思います。
でも、どうしても・・・というときには、プロのカウンセラーの方に相談して、少し気持ちを晴らしていただくというのも、気軽に取り入れたい方法のひとつですね。家族や友人に話せないことを聞いてくれる立場の人がいるだけで、心も救われます。カウンセリングを日々の暮らしに取り入れてみるのも良いと感じました。

高部久宇さん、ありがとうございました♪

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次回の『幸運(しあわせ)の道しるべ』は…

9月13日(日)15:30〜(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)
次回もお楽しみに!

(文責:中村のりこ)