まちのラジオ第2週 ド直球!「人生の意味とは」にどう答えるか・・・大阪大学全学教育推進機構特任講師・浦田悠さん

2020/09/10

machi_200910-1箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回は大阪大学全学教育推進機構の特任講師・浦田悠(うらた・ゆう)さんをお招きして、お話を伺いました。
(聞き手:大阪大学社学共創部門 肥後楽さん)

浦田さんの専門は「ポジティブ心理学」など、人生の意味を問う研究です。
その原点は、小学生の頃。
恐竜や天体が好きな少年だったという浦田さん。
宇宙の歴史は130億年、恐竜がいたのは6千万年前・・・。
それに比べて、人が生きられるのはせいぜい100年です。
自分の人生は、なんて短いんだろう。
「そうか・・・ぼくもいつか死んでしまうんだ!」
それは衝撃的な気付きでした。
意味ある人生って何だろう?と考えるきっかけになったといいます。

大学生の頃には「気胸」という病気で、入院、手術を何度も繰り返すことに。
退院した時に、世界はこんなに美しい・・・!と、目が覚めるような思いで風景を眺めたこともありました。

●人生の意味の心理学
誰しも「人生の意味」を、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
哲学や心理学の分野で研究し尽くされているかと思いきや、意外にも「正面から取り組まれてこなかった」。
過去には「人生の意味を測る尺度」を定義し、数値化する取り組みも、研究者によって行われました。
でも、人生の意味って、ポイントで比べられるようなことでしょうか?
うーん、難しい・・・。
「人生で、あなたが重要だと思う要素は?」
健康、自身の成長、自己実現、社会的貢献、信仰・・・
もちろん人それぞれですし、国や年代で違いはありますが、共通している部分もけっこうあるそうです。

それでは「意味ある仕事」とは?
人の総労働時間は、およそ8万時間。人生の大半を占めており、仕事に意味を見出すことが、人生の意味にもつながってきそうです。
・仕事にやりがいや価値を感じる
・仕事が自分の人生の意味につながっている
・大きな社会的意味につながっている

仕事にしろ、人生にしろ、自分で自分の価値を認識するのは難しいことです。
「そこで、気付かせてくれる存在が重要になります」
浦田さん自身、大学のオンライン授業を支援する中で、いろいろな先生から「とても役に立ちました」と感謝されて、とても嬉しかったそうです。
自分も周囲に対して感謝の気持ちを伝えることが大切。
周囲からほめてもらうことで、自分もポジティブに。
そうすれば、

ポジティブスパイラル発生!
家族、友人、同僚へ・・・口に出すのは照れくさいけど。
「できるだけ言葉で伝えることが大切です」

●全学教育推進機構
浦田さんは、同機構の「教育学習支援部」に所属し、授業のオンライン化を担当しています。
今年は新型コロナウイルスの影響で、4月からすべての授業がオンラインとなり、問い合わせが殺到するなど、大変な半年でした。
浦田さん自身、オンライン授業で「学生の反応が見えず、授業がきつい」と感じることも。
一方で、学生をグループ分けしたり、資料を共有するような場合は、オンラインの方がやりやすいこともあります。
後期は、オンライン受講と直接受講が共存するハイブリッド型授業が行われる予定で、また違う工夫が必要と浦田さんは考えています。
賛否両論ありますが、今後もオンライン授業は残っていくだろう・・・。
先生たちから浦田さんが頼りにされる日々が、当分は続きそうです。

「休日は折りたたみ自転車に乗って、西国街道辺りをよく走っています」
そんな浦田さんと、みなさんもどこかですれ違っているかもしれません。machi_200910-2