しあわせの道しるべ:第59回(9/13放送)高橋伊久磨さん(クリエイター&ミュージカル俳優)

2020/09/13

『しあわせの道しるべ』(30分番組)

第2日曜 15:30〜
(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)

誰にでもある人生のターニングポイント。
そのとき、何を感じ、どう選択していったのか。

フリーライター・コーディネーター 中村のりこが、
公私で出会う素敵な方々を毎月ゲストにお迎えして、
その方の人生の転機についてお話を伺っていく対談番組です。

大きな波を起こすものではないけれど、
ラジオを聞く人の心に、小さな道標ができる。
そんな番組をめざしています。

今回のゲストは・・・
芸術企画団体 一茶企画 代表
クリエイター&ミュージカル俳優 高橋伊久磨さん

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<高橋伊久磨(たかはしいくま)さん プロフィール>
芸術企画団体 一茶企画 代表
クリエイター&ミュージカル俳優
趣味:映画鑑賞、水辺を散歩
特技:ダンス全般、脚本、演出、振付などの創作

NYに留学後、19歳で劇団四季に入団。
「CATS」「王子とこじき」「A CHORUS LINE」「WEST SIDE STORY」「SONG & DANCE 65」「パリのアメリカ人」等に出演。
そのほか「Break a leg!! “Spotlight”」では振付、「The galaxy Musical Concert」では、総合演出、振付、作詞も務める。

『うちでミュージカル』を企画し、レッスン等も幅広く活動。
役者としてだけでなく、舞台等の企画、脚本、演出、振付、作詞等も手がける。


現在は、芸術企画団体 一茶企画の主宰として、また、クリエイター&ミュージカル俳優としても活動されている高橋伊久磨さん。

昨年まで、劇団四季のダンサーとして数々の舞台で観客を魅了してきました。
そんな高橋さんに、今回は淡路島でインタビュー。
※複合施設「のじまスコーラ」にて収録(取材協力:株式会社パソナグループ

2020年8月1日。
今、注目されている淡路島・西海岸に、料理とエンタメを融合させた施設「青海波」がオープンしました。その中に誕生したのが劇場「波乗亭」。そのこけら落とし公演『淡路の月に誓う』の主役を演じられたのが、高橋伊久磨さんです。

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舞台人を目指したのはいつから?

ダンスをはじめたのは、中学3年生の頃。周囲と比べるとスタートは遅い方だったという伊久磨さんですが、そのきかっけはお母さんでした。

伊久磨さんのお母さんは、アメリカの有名アーティストのジャパンツアーのステージを勤められるほどのプロシェッショナル・ダンサーで、伊久磨さん誕生後は、ダンス活動を引退。しかし、再び始動を決め、その復活ステージを観たのが、伊久磨さん中3のときだったのです。

「うわ〜!かっこいい!」

そう感じた伊久磨さんが、ダンスの道を歩みはじめることは自然な流れでした。それ以来、ダンスレッスンに通い、ミュージカルをたくさん観る日々。

劇団四季「ソング&ダンス55ステップス」を観に行ったときには、ダンスを使ってこういう風にお芝居もできるんだと大変感動し、それから「ミュージカルおもしろい!」と目指すようになりました。

ミュージカル俳優となった伊久磨さんでしたが、ミュージカルはダンスが上手いだけでは成り立ちません。歌も歌い、芝居の表現力も要求されます。
「最初、歌には抵抗がありました」という伊久磨さんでしたが、今回の淡路島での公演では、劇団四季時代のしなやかなダンスに加え、ぶれない体幹、低音で歌い上げる歌、感情の機微を表現する演技力など、以前にも増してパワプルなパフォーマンスに圧倒されました。

人生のターニングポイントは?

劇団四季には5年間在籍。実は入団オーディションを2回受けており、1回目は不合格だったとか。驚きですね!

高校3年生の時に受けた最初のオーディションでは、あまりにも周囲との実力差が激しく、一次審査が終わり、翌日の2次審査に進む人を張り出すまでの間、ずっと稽古場の天井を呆然と眺めていたことを今でも覚えているといいます。

しかし、これが人生のターニングポイントとなりました。

今までと同じ環境、同じスピードで勉強していくのではダメだと奮起。今後の進路を探していくにあたって、「ミュージカルの本場ニューヨークで学びたい!」と決断します。
オーディションを落ち、レベルの違いを痛感して、やっぱり本格的に学びたいと決心しNYへダンス留学。まさに、道が開けていくストーリー展開です。

一人暮らしもしたことがなかったティーンが渡米を決めたことは、それ相当の覚悟があったのではないでしょうか。

留学してからは、刺激的な一年はあっという間に過ぎました。
毎日一日中レッスンを続ける中で、ブロードウェイのオーディションなどにも挑戦したり・・・。履歴書を持っていっては飛び込みで「受けさせてください」と受験することもあり、本場のミュージカルを肌感覚として身近に感じ、そこで成長した実感を持って凱旋帰国した伊久磨さんは、1年前に高校生ダンサーだった頃とは見違えるほど、心身共に成長を遂げていました。

留学から帰ってきた翌月にすぐ劇団四季のオーディションがあり、今度は即戦力オーディションに応募します。

「その時は面白いことにすごく自信があって、受けた時から受かるぞという思いでした」

高校生で受けたオーディションとは真逆で、オーディション自体も楽しく、横に並んで戦う相手と競い合っていたといいます。手応えもあったのだそうです♪
NYで身につけた実力は自信となり、伊久磨さんのオーラとなって輝いていたのでしょうね。もちろん結果は合格!

そして、チャンスはすぐに訪れました。
入団して3ヶ月で、劇団四季を代表するミュージカル『キャッツ』札幌公演の開幕キャストとして抜擢されたのです!

ダンスが上手な俳優しかキャスティングされないランパスキャット役を射止めるなど、「怖いものなしな感じがありましたね」
水を得た魚のようにめきめきと頭角を現していきました。

その後、バレエダンサーが主役として圧巻のバレエシーンを魅せる『パリのアメリカ人』の主役にも合格されますが、2019年退団。なんで???

「外国人のクリエイターの方々が来日し、お稽古はすごく刺激的で楽しくて、どうしても演りたい・・・と思う一方、外国人のクリエイターの方々が自分の国に誇りを持っていて、作品を届けたいという想いがすごく、それがとてもステキだと感じたんです」

ニューヨークにいた時もそれをすごく感じたことでもあったそうで、自分たちがその土地で思ったこと、その想いを芸術に変えて人々に届けたい。
「僕がやりたいのはそれかもしれない!今かもしれない!」
退団を決心しクリエイターの道へ進もうと、芸術企画団体「一茶企画」を立ち上げられました。

「輸入ミュージカルが主流の今、それもすごく素敵だし、僕も大好きなものがたくさんあるんですが、自分たちで思ったことを形にして、それを伝えたいという思いが作品になっていく。このルートが上手くできるような環境が日本にもできたらいいな。そういう環境を目指す場所として団体を立ち上げました」

春には、銀河劇場でのミュージカル「BREAK A LEG!!“Spotlight”」を上演。
自ら振付・脚本・演出・作詞するなど、自身初のミュージカルを創作。
クリエイターとして、ミュージカル俳優として生の舞台の創作や出演もこなしながら、コロナ禍では、オンラインでのワークショップや番組企画を開催し、コロナ禍の「おかえり!うちでMUSICAL DAY」では、300人以上が視聴する人気企画となり、芸術家たちの横のつながりを深めました。

すでに、これから舞台を目指していく方々が受講したり、既に後進の育成にもなっています!すごいですね。


日本に芸術街を!芸術家の集う街を作る。

伊久磨さん自身としては、9月25日・26日オーチャードホール『BROADWAY MUSICAL LIVE 2020』にご出演予定。振付は、劇団四季でお世話なった加藤敬二さん!久しぶりの敬二さんの振付にワクワクしているんだとか。どんな舞台になるのかとても楽しみですね。

一茶企画 presents
2020/10/3(sat) 10/10(sat)「ISSA Ⅻ@吉祥寺CLUB SEATA

12人の舞台人たちを集めたコンサートですが、コンサートと並行して、12人の舞台人たちがどうやってこのコロナ禍で舞台に臨んでいるのかというのをドキュメンタリー形式でinstagramのチャンネルにして、お届けしています。
チャンネルと並行してコンサートをお届けするという、コロナ禍で生まれた新たな発信ですね!おもしろい♪

配信チケットを購入していただいた方だけが見れる舞台裏。そして、最終的に当日の公演がゴール!という企画。これもちょっと注目の的になりそうですね。

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日本に芸術街を!芸術家の集う街を作る。

アメリカにはブロードウェイがあるから私たちの国には芸術がある。おそらく、アメリカ国民の全員が感じていることだと思うんです。日本にも芸術のモニュメントとなるようなものができたら、もっと芸術が栄えて、もっとクリエイターが増えて行くはず。
一茶企画が先頭に立って下地を作るのではなく、今、芸術活動をしている団体や劇団を結びつけるような、接着剤にならなくてはという思いで夢を追っています。


【高橋伊久磨さんからの“道しるべ”メッセージ】

『パリのアメリカ人』のオーディションを受けるか受けないか迷った時に、先輩が言ってくれた言葉をずっと心に思っています。

「やったことは10年後どうなろうと笑い話になる。でも、やらなかったことは10年後後悔となる。だからとにかくやりなさい」

そう言われた言葉がすごく心に響いて・・・。
何をやるか迷った時には、いつもこれを唱えています

 

かつて日本のブロードウェイと呼ばれた街がいくつか存在しましたが、場所だけを指すのではなく、新たな形でのつながりを生み出すこともクリエイターや芸術家の役割であり、伊久磨さんが創り出す世界なのかも知れない感じました。

高橋伊久磨さん、ありがとうございました♪

【♪放送された音源はこちらをクリック♪】

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次回の『幸運(しあわせ)の道しるべ』は…

10月11日(日)15:30〜(再放送:同日夜22:30〜、翌月曜15:30〜)
次回もお楽しみに!

(文責:中村のりこ)