「デイライトタッキー」第5水曜日放送の「発見!技あり日本」では
日本が世界に誇る技や特産品をご紹介しています。
今回は、大日本除虫菊株式会社 宣伝部 大迫寛史さんにお話を伺いました。
大日本除虫菊株式会社、通称「金鳥」。家庭用殺虫剤の会社で知らない人はまずいないと思います。
創業者である上山英一郎さんは和歌山県有田郡(現在の有田市)のみかん農家の四男で、
家業のみかんを輸出しようと考えていました。
上山さんは慶應義塾大学に入学、あの福沢諭吉さんから教えを受けました。
そして1885年(明治18年)、福沢諭吉さんからアメリカの植物会社の社長を紹介され、
和歌山の農業視察に尽力します。植物会社の社長は帰国後、アメリカから上山さんに
除虫菊のタネを送ってくれました。
その際、除虫菊には殺虫効果があること、牛や馬といった家畜のノミ取りによく効き、
これによって巨万の富を得た人が大勢いることが書き添えられていました。
上山さんは、除虫菊の殺虫作用が農家の人を助けることになると考え、全国に除虫菊を
広めることにしました。
同時に、家畜のノミ以上に人間を悩ませていた「蚊」に効くものを作り始めます。
牛馬のノミ対策は粉末を振りかければ良いですが、飛び回る蚊には効きません。
ある日、除虫菊を広める旅先の宿で、偶然仏壇線香屋の跡取り息子さんと同宿になり、
線香に除虫菊を練りこめば良いのではないかと閃いたのでした。
実際に作ってみましたが、棒状の線香は40分ほどで燃え尽きてしまいます。
7,8時間もたなければ、夜寝ている時に使えません。
そんなある日、上山さんの奥様が蔵で蛇がとぐろを巻いているのを見つけます。
「この形だったら長く燃やせるのでは?!」
そこから7年の歳月をかけて改良が加えられ、1902年(明治35年)に、
渦巻き型の蚊取り線香が発売されたのでした。
現在の金鳥渦巻き(蚊取り線香)には、除虫菊の香りを練り込み、殺虫成分はピレスロイドを
使用しているそうです。
ところで、蚊取り線香はなぜ人畜無害なのでしょうか。
それは除虫菊の殺虫成分(今はピレスロイド)は、虫には神経毒として作用しますが、
人間や犬猫などの温血動物は代謝酵素の働きで体内で解毒することができるから。
だから赤ちゃんがいても安心して使えるのです。
ただし熱帯魚や金魚、メダカなどは虫と同様に代謝酵素の働きが弱いので、毒として作用してしまいます。ご注意を。
その後も大日本除虫菊株式会社さんでは、蚊取り線香を基本として、温熱式や液体タイプ、
吊り下げ式、スプレータイプなど、お客様のニーズに合わせた様々な殺虫剤を開発してこられました。
正式名称よりも商標の「金鳥」が浸透した現在も、ベースとなった除虫菊を大切に思い、
大日本除虫菊株式会社という社名を守っているのだそうです。
大迫さんは「今後も、品質にこだわり続けた商品開発で、皆様の生活に貢献できれば」と語っておられました。
本日、私 千波留は蚊取り線香カラーの服を着てまいりました。
子どもの頃から親しんできた蚊取り線香が、実は福沢諭吉さんや、仏壇線香屋の息子さんなど、
人とのご縁から生まれてきたものだということを知り、しみじみしましたよ。
金鳥さんから、タッキーをお聞きの方にプレゼント!
秋は衣類の虫が繁殖しやすい季節。衣替えの際に取り替えていただける
「タンスにゴンゴン」を5名の方に。
ご希望のかたは 住所、氏名、電話番号を忘れずに
「技あり日本」係まで。
番組へのご感想も添えてくださいね。
電話:072−728−3210
FAX:072−728−3733
E-Mail:816@minoh.net
締め切りは10月6日(火)、ご当選者の発表は10月7日(水)のデイライトタッキーで。
たくさんのご応募お待ちしております。
(文責:千波留)