未完成だが美しい そんな十代が送る30分の番組・・・
地域に暮らす若い人たちの声をラジオで届けたい。
そんな思いから、タッキー816では「ハイスクールプログラム」を毎週放送しています。
ただし、出演は、特定の高校・特定のクラブのみ。
そこで、ラジオに出てみたい中・高・大学生たちが自由に集まって、語り合う番組を企画しました。
タイトルの「発信!じゅーだいスクランブル」は、
・戦闘機の緊急発進(重大スクランブル)
・中・高・大学生などが混ぜこぜ(十代スクランブル)
という二重の意味があります。
今を生きる十代の若者が、切実に思うこと、伝えたいことは何なのか。
番組づくりを通して、一緒に考えていければと思います。
第10回となる今回は、高校生が試験や大会などで欠席。大学生+中学生、6人がオンライン収録に参加してくれました。
「ゆうきです」(大1)
「かいりです」(大1)
「ふうこです」(大2)
「るりです」(大1)
「あいです」(大4)
「れいです」(中1)
さて、このメンバーで話し合う今回のお題はこちらっ!
今年の9月に、ユニセフから「先進国の子どもたちの幸福度に関する報告書」が発表されました。
これは、精神的幸福度、身体的健康、スキルの、3つの側面から、先進国の子どもたちがどの程度幸せなのかを、国ごとに表したものです。この結果、
その内訳は、
●精神的幸福度…37位(生活満足度と自殺率から算出)
●身体的健康…1位(死亡率と肥満度から算出)
●スキル…27位(数学・読解力と社会的スキルから算出)
健康面で日本は世界一、でも精神的幸福度は世界ワースト2位という結果になりました。
なお、生活満足度最下位のトルコに留学した大学4回生のあかりさんからは、次のメッセージが寄せられました。
「トルコでは就職難や通貨の下落、インフレなど経済面での不安がよく聞かれます。それでも若者の政治的関心は強く、力強さも感じられました」
自殺率のグラフではリトアニアがもっとも高く、ギリシャが一番低いというデータになっています。生活満足度の低さは必ずしも自殺率の高さにはつながらない、ということも見てとれました。
過体重のグラフはトップがアメリカ、一番低いのが日本。これはなんとなくイメージできる結果です。
れい「逆に、日本の若者たち、ちゃんと食べてるのかな?って(笑)」
数学・読解力では、日本がトップ5入りしています。教育大国のフィンランドが3位。
あい「1位がエストニア、2位がアイルランド。フィンランドを越してくるのが意外でした」
ふうこ「私の体験なんですが・・・」
もともと数学が本当に苦手だったんですが、高校時代に留学したフィジーでは、クラスメイトからつけられたあだ名が「計算機」。日本の教育水準の高さを実感したエピソードでした。
社会的スキルは、わかりやすく言うと「すぐに友だちができる」かどうか。
日本は下から二番目で、友だち作りが苦手という結果になりました。
「ここでいう”友だち”って、SNSの友だちも含むんですかね?」
うーん・・・SNS上の友だちは本当の友だちと呼べるのか。
るり「自分が友だち、と思えばそれでいいんじゃないですか」
●ユニセフの調査は、本当の幸福度を表しているか
今回の結果は、6つの指標に基づいて、それらの順位を単純に平均して割り出したものです。
そもそも、「生活満足度」の順位と「自殺率」の順位を足して2で割ることが、本当に意味のあるデータといえるでしょうか?
それは確かに何かを表しているのでしょうが、かなり乱暴なやり方にも思えます。
そもそも「幸福度」なんて、データで測れるものでしょうか?
幸福度90の人は、幸福度70の人に比べて、20だけ余計に幸せ・・・ということになる?
そもそも「幸福」って、何?
イケメンや美女は本当に幸せなのか。
勉強・スポーツ・芸術の天才は、本人はどう感じているのか。
お金持ちは幸福なのか?
かいり「お金を持っていることで逆に苦労することもあるのでは」
●自分が考える「幸福な人生」とは
・困難を乗り越えることでこそ達成感を得られる。山と谷の両方があること
・好きなことに心から熱中できる環境があることが大切。夢を追いかけられること
・自分が何をしたいのかを考え、自分で自分を満足させていくこと
・好きな人と一緒にいられて、最後は見守られて人生を終えられること
・誰かと比較するのではなく、自分が満足できていればよい
・誰かと同じものを見て、美しさや悲しみを共感できる人生が幸せ
ふだん、正面から「幸福とは?」なんて語り合うことはあまりないけど、でもみんな、心のどこかでいつも考えているテーマかもしれません。
今回はビデオ会議アプリ「zoom」を利用したオンライン収録で、直接会ったわけじゃないけど、一つのテーマをみんなで話し合うのはとてもいい経験、楽しかった・・・と口々に語る若者たちでした。