毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオにカメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
先月の放送でカメラ購入に関してのアドバイスをお送りした際、スマートフォンのカメラが、
なかなか使えるというお話がありました。
また最近は、ご自分のお料理をスマートフォンで撮影し、ブログやSNSに掲載されている方も
多いことから、スマートフォンカメラで今以上にアピール度が高い写真を撮る方法を教えていただきました。
1.色に敏感に。盛り付けかた、配色を工夫しよう。
スマートフォンで撮影すると、なんだか実物と違う色に見えることがあるはずです。
そんな時は、画像処理ソフトを使って編集し、実物の色に近づけると良いでしょう。
また、素材そのものの色・配色を工夫するのも大事です。
下のサンプルをご覧ください。
洗ったプチトマトをざるにあけたシンプルな状態ですが
プチトマトの赤だけではなく、ヘタの緑色が効いています。
もしヘタが全部下に向いている場合は、適度に緑色が見えるように置き換えても良いでしょう。
盛り付けしだいで おいしそうに見えるのはお料理と一緒です。
また、ちょっと斜めから写すことで、焦点が合っている前方のプチトマトはくっきりと、
後方のプチトマトは微妙にボケていて立体感が出ます。
(真上から撮影すると、ピザの見本写真のような平面的な写真になります)
2.スマートフォンのレンズの性質を見極める
スマートフォンのレンズは広角レンズであり、近寄って撮影すると物の形がひずみます。
具体的に言うと、手前の物が実物以上に大きく写る「鼻デカ犬」ふうになるわけです。
被写体の向きを変えるなどして、大きく写っても違和感のないものを手前に配置してみましょう。
サンプル写真を見てください。
手前のネギは実物よりも大きく写っていますが許容範囲と言えます。
もし卵を手前に写せば、もとからかなり存在感のある卵が、より巨大に写り
アンバランスに感じられるかも知れません。
3.エフェクトやズームはなるべく使わない
アプリなどに備わっているエフェクトを使ってお手軽に色を変化させるなどの加工は
手軽な上に奇抜で、面白みがある半面、
10年後20年後に鑑賞するに耐える写真に仕上がるかどうかは疑問が残ります。
多用しすぎないほうが良いかもしれません。
また、スマートフォンのズーム機能は、レンズで遠近を調整しているのではなく、
写っている画像の一部を切り取って拡大しているだけなので、倍率を揚げると画質が落ちます。
ズームを使うのであれば2倍くらいまでが良いのではないでしょうか。
お料理を作る楽しみ、盛り付けを楽しむ気持ちに加えて、
鮮やかにおいしそうな写真として残す楽しみをぜひ味わってみてください。
なお、上のサンプル写真はどちらも宮本さんが撮影されたものです。
宮本さんがスマートフォンで撮影した食べ物の写真を集めた「普段着でフードフォト」も合わせてご参照くださいね。
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なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなどなるべく具体的に教えてくださいね。
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