しあわせの道しるべ:第64回(2/14放送)木山美佳さん(株式会社キャリ・ソフィア代表)

2021/02/14

『しあわせの道しるべ』(30分番組)

2日曜 1530
(再放送:同日夜2230〜、翌月曜1530〜)

誰にでもある人生のターニングポイント。
そのとき、何を感じ、どう選択していったのか。

フリーライター・コーディネーター 中村のりこが、
公私で出会う素敵な方々を毎月ゲストにお迎えして、
その方の人生の転機についてお話を伺っていく対談番組です。

大きな波を起こすものではないけれど、
ラジオを聞く人の心に、小さな道標ができる。
そんな番組をめざしています。

今回のゲストは・・・
株式会社キャリ・ソフィア 代表取締役
木山美佳(きやま みか)さん

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木山美佳さん プロフィール>
これまでに研修、キャリアカウンセリングを通して 、5万人のキャリアに携わった経験を持つ。研修講師、キャリアコンサルタントなどを経験。
2011年より現在の株式会社キャリーソフィア代表として、多くの企業などで研修・講演・人材コンサルティングなどを担当。
一般社団法人ダイバー人材育成協会代表理事を兼任。企業の女性活躍推進ミーティングに参加し、アドバイザーなども務めている。
大阪府立大学大学院博士後期課程に2020年9月まで在籍。現在も女性の労働を研究。一男の母。

著書『自分から動く部下が育つ8つのパワーフレーズ』(同文館出版)


自分軸発見ツール「キャリアカード」開発

まさにあこがれのキャリアウーマンといった才色兼備の木山さん。
颯爽とスタジオに登場された姿もかっこいい!
それもそのはず。定期的なトレーニングをされており、今年の目標は腹筋を割ること!というから、有言実行の行動派です。

長年、人材育成に携わってこられた木山さんですが、今回お持ちいただいた中に、新刊著書とは別に2種類のカードがありました。ひとつは学生向け、ひとつは社会人向け。

社会人向け「キャリアエレメンツカード(実用新案登録済)」は、キャリア・アンカーとナラティブ・アプローチという理論をベースに作られたカードで、科学的根拠のあるカード結果(キャリアアンカー=価値観)をもとに、「今いるポジションで活躍するためには…」という視点で、楽しみながら自分のキャリア軸を探すことができます。 社会人研修などで活用されています。

学生向け「キャリアフロンティアーズカード」は、カードゲーム型キャリア教材。現代のキャリア教育における課題に向けて、現場の声から開発されました。RPGゲームをする感覚で楽しみながら、将来のキャリアについて考え、自ら気付くことのできるカードです。大学の授業などでも使われています。

「キャリアを考えるとき、”語り”が一番大事なんです」と木山さん。
カードワークするうちに、だんだんと自分のやりたいことや軸が見えてくるツールとしてカードが活躍します。自分の価値観は、人から教わるものでなく自分で見つけるもの。キャリアカウンセリングする中で、そのためのツールが必要だと感じ、自ら開発に至ったのだとか。

自分の知らなかった自分を発見し、深く掘り下げていくことのできるカードは、開発当初は社内専用でした。ところが、どこで入手できるのかという問い合わせが相次ぎ、商品化されたのでした。

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人生のターニングポイント

人材業界でキャリアを積んでこられた木山さんでしたが、キャリアの継続について、本当に我が事として痛感する転機がありました。
結婚・出産もターニングポイントだったけれど、キャリアとしては「出産して仕事に完全復帰した時」が大きな転機だったとおっしゃいます。
何があったのでしょうか・・・。

子供が一歳7ヶ月の時から仕事に復帰。
非常に濃い仕事と、育児・子育てのバランスを取ることはすごく難しかったと振り返ります。

保育所・保育園に子どもを預け、後ろ髪を引かれながら出勤する経験は、働くママなら一度は経験があるのではないでしょうか。木山さんも「そこまでして働いていいのか」と色々考えたといいます。
保育所のお迎えのために残業もできない。
仕事が途中でも終わらせなければいけない。
周りに迷惑かけてるのでは?と思う。
そんな中、慌てて保育所に行くと、自分の子が最後のひとりになって、入り口の方をじっと見て待っている。走り寄って目が合わせる時に切なくて「ごめんね」と心の中で思うことも毎日だったそうです。
「本当にその時は悩みました。保育所を出て、信号待ちの車の中で涙がポロポロ出てくることも・・・。仕事でも周囲に迷惑をかけているかもしれ ないし、子供にもすごく負担をかけているかもしれない。何のためにこんなことをしているんだろうと思っていました」

本なし

当時は完璧主義者だったために、育児も100%、仕事も100%と考えていました。ある日、「目の前にあることをすごく大変だと思っているかもしれないけど、長期目線で見た時にどうしていきたいの?」と聞かれます。その言葉で目から鱗が落ちました。
「仕事は続けていきたい。子供とも楽しく育児したいと思っている。じゃあ今の状態はよくないよね」と気付いた木山さん。
そこからは、やらなくても いいことはやらない。人に頼めることは頼む。極力子供といる時間はお母さんが笑顔で楽しい時間を 過ごそうと決心し、楽しみながら時間を過ごすようになったとたん、すべてがうまく回り出したのでした。

大学院で女性活躍を研究

なぜ再び学び直そうと?
「自分が子育てしながら働く時に大変だった経験もあり、キャリアと子育てのバランスで悩む人が少なくなって欲しいという想いから、 正確な調査データなどを見ながら、女性活躍をサポートしていきたいと考えました」

社会に出てからも、女性はライフステージが変わるごとに仕事との両立に悩んだりします。その前に大学生では就職やキャリアをどう作っていくか、何をしていいかがわからないという方も多く、そういう方に対してもサポートをされています。

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あめ玉の真ん中に自分の価値観はある

やりたい仕事をしたい。
なかなかドンピシャのことができるとは限らない。
しかし、仕事というものは、自分の価値観の軸が見えているとがんばれるのです。
たとえば・・・
あめ玉の周りは自分の好きじゃない味でコーティングされている。けれど、真ん中には自分の好きな味がある。これが仕事の価値観。それが見えていると、少々のことがあっても頑張ろうと思えるそうです。

中心の価値観が見えていないと、この苦しい時間、まずい味がずっと続くのだろうか・・・となる。人は意味を感じることに 一生懸命頑張れるという所があるそうで、自分の価値観を知っておくことは、とても大事なのですね。そのためには誰かと”語り”ながら、自分の中の軸を見つけていくことが大切なのですね。

「子育てと 仕事の両立に悩んだとき。初めて自分の頑張りだけではどうにもならないことがあると知りました。それは頑張らないことで解決したのですが、息子には『今ちょっと落ち込んでるねん』などと、親のダメなところも見せています」

木山さんの息子さんは、母親の仕事に興味を持っており、学生向きカードの開発では、まさに学生の声としてアドバイスもくれたのだとか。これも木山さんの働く姿をみてきたからこそなのでしょうね。

著書『自分から動く部下が育つ「8つのパワーフレーズ」
若手社員を育てるための伝え方の技術』

「現在、上司と若手社員との間に、ものすごくジェネレーションギャップがあります。特にバブルを経験している世代と新人では全く価値観が違うのです。デジタルネイティブ世代やネオデジタルネイティブ世代など。SNSに慣れ親しんでいる世代と、それより前に育てられた世代では、全然違います。そこを理解しておかないと、いくら上司が自分が育てられたような言葉がけをしても響かないし、そもそも伝わらない。

今回執筆した本は、上司だけでなく育成に携わる方やサービス業の方にも読んで欲しい内容となっています。
どんな違いがあり、その違いをどう理解して、どんな伝え方をすればいいのかということをご紹介しています。
特に今はテレワーク時代。今まで以上に言葉がものすごく重要になっており、本当に意識しないと言葉が力にもなっ たり刃にもなったりするので、そこを考えてもらうきっかけにもなればと思っています。

著書【木山美佳さんからの道しるべメッセージ】

ターニングポイントに立ち迷った時は、「まずやってみる」ということを私はお勧めし ます。やらなかった後悔はずっと残りますが、やってみてうまくいかなかったら、次は修正しようと新しいページを開くことができると思うんですね。なので「迷ったらやってみる」というのがメッセージです。

あらたな扉が開く感じがしますね。今後もこれからの時代のさまざまな人を育てていっていただきたいと思います。

木山さん、ありがとうございました♪

収録

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次回の『幸運(しあわせ)の道しるべ』は…

314日(日)1530〜(再放送:同日夜2230〜、翌月曜1530〜)
次回もお楽しみに!

(文責:中村のりこ)