今回のゲストは・・・
古川裕さん(大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻 教授(中国語専攻)、大阪大学附属図書館副館長(外国学図書館掌理))
日髙正太郎さん(大阪大学附属図書館箕面図書館課 専門職員(市民連携主担当))
この度、箕面市船場地区にオープンする新しい図書館ついてご紹介いただきました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)
古川さんは2008年に、「TVで中国語」というNHKの語学講座で講師を務めた経験があります。
番組のパートナーは、女優の小池栄子さん!
ちょうど北京オリンピックの開催年ということもあり、ゲストも毎回豪華な顔ぶれだったといいます。
当時が懐かしい・・・と目を細める古川さんが、箕面の新しい図書館の副館長に就任したのは今年4月のことでした。
副館長だから、もう一つ上に館長がいらっしゃるのでは・・・と思いきや。
大阪大学には大きく4つの図書館(吹田2、豊中1、箕面1)があり、それら全ての長として1人の館長が、各館ごとのトップとして4人の副館長が存在するのでした。
つまり、阪大の箕面図書館のトップは古川さんということになります。
「といっても就任したばかりなので、図書館の詳しいお話は日高さんにしてもらいましょう」
日高さんは大阪大学の図書館の職員として10年のキャリアを持つベテランです。
箕面キャンパスの図書館には2019年に異動になり、そこから新キャンパスへの移転計画に携わってきました。
新しい図書館では、主に配架のレイアウトを担当したという日高さん。
「こだわったのは、十進分類の番号順に『ひと筆書き』で辿れるように書棚を配置したことです」
これまでは必ずしも番号通りに並んでなかったりして、資料を探すのに手間取ることもあったとか。
真新しいだけでなく、本を探しやすい図書館としての工夫もされているわけです。
こうして誕生した新しい「大阪大学外国学図書館・船場図書館」。
運営は、箕面市が委託して、大阪大学が指定管理者となって行います。
実はこうしたケースは全国的にも珍しく、国立大学と自治体の共同運営という形では全国初とのことです。
実際には、箕面旧キャンパスの外国学図書館と、箕面市立萱野南図書館が合体して一つの建物に入ったことになります。
蔵書数は合わせて70万冊ほど。2館が合体したことで、書籍の重複がちょっと心配ですが・・・。
「それが、実はそれほど重複していなかったんです」
大学図書館の専門書、市立図書館の一般書や児童書。
上手くかみ合って、図書館としての可能性も広がりました。
<建物の構成>
4階・・・専門書
3階・・・辞書・大型本
2階・・・児童書・一般書 ←入口はここ
1階・・・書庫
2階が児童・一般向け、3・4階が主に大学の資料です。
ここで気になるのは、「大学の資料のエリアには自由に出入りできるの?」
他キャンパスや旧図書館では、入口にゲートがあって、学生や教員などの関係者以外は、入場に申請が必要でした。
新図書館もやっぱりそうなのでしょうか・・・。
「ゲートの類は一切ありません。誰でも自由に入っていただけます」
これは嬉しいお言葉!
気兼ねなく、自由に3階・4階にも入って、大学の資料の列が醸し出す独特の雰囲気に思う存分浸れるというものです!
学生や市民が、入り交じって利用する図書館。
双方にとって、それはきっと刺激的な空間になることでしょう。
他にも嬉しいのは、
ということ。
なるほど、大学は当然月曜日にも授業がありますから、図書館も開いている必要があります。
年末年始とメンテナンス作業日を除けば、実質年中無休。
夜8時まで利用できるのも嬉しいポイントです。
もともと今年5月1日にオープン予定だった新図書館。
残念ながら、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言により、休止が続いています。
待ち遠しい限りですが、その分楽しみもふくらみます。
コロナの影響が収まって、みんなが安心して、新しい図書館を心ゆくまで堪能できる日が来ますように。それまで、もうちょっとの辛抱です!
■大阪大学外国学図書館(船場図書館)
<開館時間>
月~金曜日:午前9時~午後8時
土・日・祝:午前10時~午後5時
(年末年始・メンテナンス日は休館)