今回のゲストは・・・
青井考さん(大阪大学核物理研究センター教授)
高橋賢臣さん(大阪大学安全衛生管理部准教授)
平井雄大さん(大阪大学人間科学部3年)
岡村拓実さん(大阪大学理学部2年)
福島県で毎年行っている「環境放射線研修会」についてご紹介いただきました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)
青井さんの専門は「原子核物理」。
大阪大学吹田キャンパスにある粒子加速器「サイクロトロン」を使って、原子核の形を研究しています。
単に球形なのかと思いきや、他にもラグビーボール型があったり、テトラポッド型の存在も予測されているそうです。
「原子核を叩いてやると、ボヨンボヨンと形が波打ったりもします」
高橋さんはもともと火山・マグマの研究者でしたが、その際に身に付けた測定技術を生かして、東日本大震災直後から福島県での環境放射線の測定に取り組んでいます。
福島第一原発の事故により、福島県では放射線量が高くなった地域で、住民が避難を余儀なくされました。
そのうちの一つである飯舘村は、原発の北西50~80キロメートルと離れてはいたものの、風向きの関係で線量が高くなってしまったといいます。
その飯舘村で測定を続ける中で、どんなことが変わってきたのでしょうか。
「最初の頃は住民の帰還が認められていなかったのですが、2017年から少しずつ人が戻ってきました」
それに伴い、コンビニが少しずつ増え始めました。
また、広大な土地に大量の黒いフレコンバッグ(除染土入り)が積み上げられていましたが、2年ほど前から徐々に撤去されています。
跡地には再び水田が拓かれ、水のある青い風景が戻ってきました。
「測定を続ける中で、飯舘村のみなさんには大変お世話になりました」
農業者のかたなど、震災当時からずっとパワフルで、いろんなことを教えてもらったそうです。
2016年からは、環境放射線研修会を飯舘村などで行い、これまで多くの学生が参加しています。
<内容>
・土壌の測定(除染済み地域/未除染地域)
・原発の見学
・地元の人との交流
大学3年生の平井さんは、過去2回参加。
大学の授業で福島について学んだのがきっかけで、「もっと学びたい」と参加することに。
「最初は不安もありましたが、実際に訪れてみると怖くなくなりました」
毎年、訪れるごとに復興が進むのを実感しているという平井さん。
飯舘村の、のどかな風景にいつしか惚れ込んで、今年も参加を決めたそうです。
大学2年の岡村さんは、去年の研修会に参加しました。
「現地に行ってみないとわからないことがある。それを実感しました」
コロナ禍で交流があまりできなかったのが残念でしたが、復興に携わった人たちの話を聞くだけでも価値があったといいます。
今年の研修会は8月21日~26日(5泊6日)に行われます。
大阪大学を始め、いろいろな大学の学生が参加し、総勢100人規模になるといいます。
これについて、現在クラウドファンディングで資金を広く募っています。
期間:7月30日(金)まで
寄付:一口3千円から
リターンとして、講義をオンデマンドで受講できたり、学生が現地で学んでいるようすをオンラインで視聴できたりという特典があります。
「多くのかたに福島の現状を正しく知っていただくため、ご協力をお願いします!」