まちのラジオ第2週 「阪大の気象レーダー使ってみぃひん?」

2021/08/12

machi_210812a↑和田さん / ↑牛尾教授

箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回のゲストは・・・

牛尾知雄さん(大阪大学工学研究科電気電子情報通信工学専攻センシングシステム領域教授)
和田有希さん(同 助教)

高性能の「フェーズドアレイ気象レーダー」についてご紹介いただきました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)


大阪大学吹田キャンパスのほぼ中央、建物のてっぺんに乗っかった真っ白なドーム。
天体観測用でしょうか?
いいえ、従来よりもはるかに高性能な「フェーズドアレイ気象レーダー」が、その中に収められているのです。radar
従来の気象レーダーでは、細いビームとなって照射される電波で、気象を観測しています。
「そういったレーダーでは、3次元のデータを得るのにけっこう時間がかかるんです」
細いビームを照射しながら、360度ぐるっと回転。
次に角度を少し上げて、また一回転。
また角度を上げて一回転・・・。
この作業の繰り返しで、全ての角度を測り終える頃には、最初に計測したデータが古くなっています。
これに対して、フェーズドアレイ気象レーダーは高さ方向に幅を持ったビームを照射できるため、ぐるっと一回転すればそれで全てのデータが計測できてしまいます。
特に最近では、5分後に天候が激変、突発的なゲリラ豪雨や竜巻なども頻繁に見られるようになりました。それらに対応するために、フェーズドアレイ気象レーダーは大きな力を発揮するものといえるでしょう。
観測範囲は吹田キャンパスを中心に半径60キロメートルで、和歌山県北部や滋賀県南部までを観測することができるそうです。
西明石や、筑波にも同型機があり、ゆくゆくは日本中、世界中にこのレーダーを広げていきたい。
そうして、世界から豪雨による被害者を無くしていけたら・・・。
そんな思いを語っていただきました。

●クラウドファンディングに挑戦中

このレーダーで得られたデータを、一般の人にも活用できるようにしたい。
そこで、クラウドファンディングで資金を集め、一般向けのサイトを開設することになりました。
一般的な雨雲の情報サイトはすでにありますが、それよりもさらに精度の高い情報を得られる。
地図上でズームアップしたり、3次元データも見られるようになる。
そんな次世代の雨雲情報サイトの公開をめざして。

「阪大の気象レーダー使ってみぃひん?」
「いつカッパ着たらええん?」
「いつ洗濯物取りこんだらええん?」
「この雨いつまで続くん?」

お出かけの時に、怪しい雲が近づいてきていないか。
運動会や遠足のとき、雨が降らないか。

「じゃあ、阪大のレーダー情報を見てみようか」

そうやって、誰もが気軽に見られるようになる日が、間もなくやってきます。
来年5月には公開できるようにしたい、とのことです。
クラウドファンディングは、目標額600万円、期限は9月末まで。
寄付したかたには、オンライン講演会へのご招待や、レーダーの見学会に参加できる特典も。
興味のあるかたは、ぜひ以下のサイトにアクセスしてください。

急な豪雨に備えを。世界最高性能の気象レーダーを活用したサイトを制作

Twitter 大阪大学工学研究科 牛尾研究室

<余談>
牛尾さん、和田さんは共に海外での研究経験もあるとのことです。

牛尾さん
「アメリカの、NASAの研究施設で2年間過ごしました」
アラバマ州、綿花畑が広がる中の小さな町・ハンツビル。
古くから軍の基地があったため、かつては「地図に無い町」だったとか。
セキュリティも厳しく、周りに何も無いので「研究ばっかりしてました」。

和田さん
「パリに半年ほどいました」
エッフェル塔に歩いて行ける距離のところ。
アパルトマンに下宿して、バカンスにはいろいろな国を訪れて楽しんだそうです。

えらい違い・・・和田さん、ハンツビルだったら研究しに行きたいですか?
「いや、無理ですね(笑)」