クラフトビールってどんなん?という飲んだことのないかたから、クラフトビールにめちゃめちゃ詳しいコアなファンまでが楽しめるトーク番組(第1日曜15時初回放送)。
クラフトビールの醸造から販売までを手がけ、ビアジャッジの資格を持つ谷和(たに・あい)と、旅のプロ・風間佳成(かざま・よしなり)がクラフトビールの魅力や最新の話題などを語ります。
ついこの間まで暑い暑いと言っていたのに、急に寒くなったり温かい日が続いたりで秋という感じがしないまま冬になってしまいそう。
先月は和ちゃんにとっては激動の月でした。
10月1日に緊急事態宣言解除(ゴールドステッカー認証取得後、酒類の提供)、10月8日は阪神百貨店B2の阪神バル横丁・クラフトビアベースBRANCHのオープン、10月15日はマザーツリーのグランドオープン、新しい醸造所の稼働開始などで収録当日もフーフー言いながらのスタジオ入り。
BRANCHは女性層が多く好調な滑り出しを見せています。みなさんもぜひ一度覗いてみてください。
今月はコロナ禍における世界各国のクラフトビール事情をお伝えします。
「ビール王国31号」(2021年7月発売)の記事を参考にさせていただきました。
この本はクラフトビール好きにとって新しい情報を入手する手段として、またビールの蘊蓄を知る本としてコアなファンはもちろん、これからクラフトビールのことを知ろうというかたにお勧めの雑誌です。
もちろん和ちゃんも何度か登場しています(先日も取材を受けたそうですから次の号には載るかも)。
箕面ビールWAREHOUSEでもバックナンバーを販売していますよ。
アメリカのブルワーズアソシエーションによると、アメリカ国内のクラフトブルワリーの数は2000年には1566カ所だったのが、コロナ禍でも増え続けて、2020年には8800カ所を超えたそうです。
ただし、感染拡大防止で利用規制が設けられ、小規模なブルワリーは直営のタップルームが大打撃を受けました。
そんな中で、樽で出荷していたのを缶に切り替えて販売したり、本来、問屋を通して小売りをしなければならないしくみが法律で決められているのを、コロナ対策として直送が容認されたことで新たな市場開拓ができ、売り上げが確保できたところもあったようです。
ハワイアン航空ではマウイブルーイングのビールを機内提供しています。
ワクチン接種のおかげで行動制限が解除されてビールが追加されたりして、コロナ前に戻りつつあるようです。全日空も機内有料サービスで日本のクラフトビールを提供していますがコロナ禍で今は休止しているようですね。
イギリスもロックダウンで家飲みが急速に増えて、フラーズでは1980年には樽が80%、ボトルが20%という比率だったものが、2020年には逆転してボトルが80%になったそうです。
ビール大国のドイツは、アメリカンクラフトに触発された若い醸造家が増えてきているそうです。
ただ、ドイツには有名なビール純粋令があって、一部の地域ではフルーツやスパイスなどを加えるのを好まれないところもあるようですね。
またトレンドとして、ラガー回帰が進行中だそうですよ。
フランスはワイン大国ですが、その大半は輸出用で、自国での消費はワインからビールにシフトしつつあるということで、一人当たりのビール消費量も、日本と肩を並べるくらいになってきているそうですね。
以前この番組でも紹介しましたが、北フランスにはビールの伝統製法として「ビエール・ド・ギャルド」というのがあります。
ギャルドというのは貯蔵という意味ですが、発酵後のビールを低温熟成します。
長期間熟成することで角のとれた味わいとなって、食事に合わせやすいんです。
まさに美食の国のビール!
もう一つのビール大国ベルギーはどうなっているのでしょうか。
実は僕がビールを大好きになったのも、30年くらい前にベルギーの首都ブリュッセルの世界で最も豪華な広場といわれるグランプラスで飲んだビールが、僕のビールのイメージをひっくり返すほど衝撃的だったからなんです。
今までに飲んだことのない味で、多分そのとき飲んだのはヒューガルテン・ホワイトだったような気がしますが…。
1999年に「大阪で初めてのベルギービール専門店」としてドルフィンズというお店がオープンしました。
そこで和ちゃんとの出会いも(2005年頃かな…懐かしい)。
ベルギーではビールが生活の中でなくてはならないものとして、誇りある文化として溶け込んでいます。
2016年にはユネスコの無形文化遺産に「ベルギーのビール文化」として登録されました。
そんなベルギーで最近は、サワービールが流行しているそうです。
また僕の好きなトラピストビールの代表的な銘柄であるシメイというビールがあります。
シメイゴールド、シメイブルー、シメイホワイト、シメイレッドなどがあるんですが、今月シメイグリーンが発売になりました。
醸造元であるスクールモン修道院内で採取される地下水、天然農産物のみを使用して造られ、熱処理やろ過をせずに瓶内2次発酵という、シメイ独自の製法で作られています。
アルコール度数10%と、かなり高いですが、奥深い味わいが期待できそうですね。
僕が時々飲んでいる摂津富田の國乃長(壽酒造)の酒蔵での「クラノミ」が酒造りの状況で10月で終了かと思っていたのですが、11月27日(土)まで延長されました(毎週土・日曜日開催。12:00~17:00)。
クラフトビール6種類のほかに國乃長の日本酒、焼酎など蔵で飲むことができますよ。
さて、ビアパブなども営業時間の制限が解除になって、賑わいが少しずつ戻ってきました。
リベンジ消費という言葉を最近よく耳にしますが、僕はハッピー消費と呼びたいですね。
やっぱり友達や会社の仲間などと顔を見ながら美味しいビールを飲むというのは、CMではないですが、ああ幸せ!と思います。
長い間この感覚を忘れていましたから…。
では次回12月5日の放送をお楽しみに!
(文責:風間佳成)
■クラフトビールCLUB
毎月第1日曜日15時放送(当日22時、翌月曜日15時リピート放送)