途方もない時間の中で ただただ未来に思いを寄せる
未完成だが美しい そんな十代が送る30分の番組・・・
地域に暮らす若い人たちの声をラジオで届けたい。
そんな思いから、タッキー816では「ハイスクールプログラム」を毎週放送しています。
ただし、出演は、特定の高校・特定のクラブのみ。
そこで、ラジオに出てみたい中・高・大学生たちが自由に集まって、語り合う番組を企画しました。
タイトルの「発信!じゅーだいスクランブル」は、
・戦闘機の緊急発進(重大スクランブル)
・中・高・大学生などが混ぜこぜ(十代スクランブル)
という二重の意味があります。
今を生きる十代の若者が、切実に思うこと、伝えたいことは何なのか。
番組づくりを通して、一緒に考えていければと思います。
第15回となる今回は、中学生から大学生まで、9人がリモート収録に参加してくれました。
「かいり」(大2)
「ニック」(大2)
「なな」(高3)
「なのは」(高3)
「琴音」(高2)
「はる」(高2)
「みほ」(高1)
「れい」(中2)
「めぶき」(中2)
さて、このメンバーで話し合う今回のお題は・・・
学校に通うときに当たり前のように着ている「制服」。
これを見直そうという動きが広がっています。
制服はあった方がいいのか、なくてもいいのか。
●小・中・高は制服?私服?
みほ「小学校は転校するまで制服の学校でした。以後ずっと私服ですけど、今はなんちゃって制服」
なのは「幼稚園から高校までずっと私服。ちょっと制服着てみたかったかも」
かいり「高校は男女ブレザーの制服でした」
●女子のズボン制服はあり?
全国の高校では、44.4パーセントが「女子のズボン制服あり」。
これは地域差があり、長野、滋賀、神奈川では8割以上。
対して青森、愛媛、岩手は10パーセント以下だそうです。
あなたの学校は?
かいり「中学のとき、クラスメートの女子が『ズボンをはきたい』と学校に交渉し、認められていました」
琴音「うちの高校は女子ズボン『あり』です。スカートも色のバリエーションが多くて、気に入ったものを選べます」
●スカートのいいところ・悪いところ
みほ「女の子らしいスカート、私は好きです。夏は涼しいし」
なのは「悪い点は動きにくい、自由が効かない、寒いところ」
なな「ちゃんと隠せてるかとか、痴漢にも気を付けないと」
めぶき「雨の日はスカートの方が濡れにくいですね」
じゃあ、男子のスカートはあり?なし?
はる「僕はありだと思いますね。多様性が求められるいま、はきたいという人のためにOKにすればいいと思います」
かいり「まだまだ男子はズボンというのが根強いけど、LGBTの教育をしっかりして、男子がスカートをはいてもいいという世の中にしてほしい」
スコットランドの民族衣装では、男性がスカートをはいています。
認識ひとつで、「あり」だったり「なし」だったり。
●一中「カジュアルウィーク」
箕面でも、生徒からの働きかけで制服を見直す試みが行われている中学があります。
箕面市立第一中学校の「カジュアルウィーク」。
生徒会が提案して、1月17日~28日の2週間、制服を着ずに登校してもいい期間を設けることになりました。
今回参加のめぶきさん、れいさんは一中の生徒会長と副会長。
なかなか画期的な取り組みですが、きっかけは?
「建国高校主催のLGBTQ大会に出席したことです」
集まった大阪府の中高生たちと話し合う中で、自分たちも何か取り組んでみたい、と立案。
例えば、体は女性で心は男性の「トランスジェンダー」の場合、スカートが嫌かもしれない。
体は男性で心が女性の人は、ズボンをはきたくないかも。
現状では、学校に申し立てをすれば女子でもズボンは認められますが、それには相当なエネルギーが求められます。親を説得して、先生を説得して、ひょっとしたらクラスでからかわれるかも、陰口を叩かれるかも、黒板に悪口書かれるかも。同調圧力の強いこの社会で、常に一人だけ目立ち続けること。それに耐え続ける勇気を持たなければ、自分の心に合った服装ができない・・・。
そんなの、おかしくない?
自分の心を裏切って、着たくない制服を着るのか。
毎日勇気を振り絞って、着たい服を着るのか。
いずれにせよ、トランスジェンダーの人たちは我慢するかめちゃくちゃ頑張るかの二択を迫られています。
それなら、学校で「何を着てもいい」ことにすればいいのではないか。
生徒会で意見が一致し、学校に提案したところ
「先生たちも『やったらいい。私たちも同じ思いだよ』と受け入れてくれました」
こうして始まった、カジュアルウィーク。
初日はさすがに、みんな様子見だったといいますが、二日目以降は私服でおしゃれをしてくる人、体育があるからとジャージ姿の人、服選びが面倒だから制服の人、思い思いの格好が見られるように。
生徒たちからは「今後もまたやってほしい」「もう一年中やってほしい」と好評の声が上がっています。
はる「制服で行ってもいい、というのがいいですね。制服を着たいという人も否定しないところが」
かいり「TPOの勉強になると思いました。『今日は派手すぎたな』『ちょっと動きにくかった』など、生徒自身がふさわしい服装を考える機会になりますね」
今回、試験的に導入された「カジュアルウィーク」。概ね好評のようで、いずれ定着して、それこそ一年中何を着てもいい「カジュアルイヤー」になっていくかもしれません。その動きは一中のみならず、他の中学、高校などに波及し、やがて日本中の学校で「何を着たっていいんだよ」という日が訪れるのかも。
そうすれば、今よりもっと学校に行くことが楽しくなるのではないでしょうか。
ハイスクールプログラム第3週を担当している、関西学院千里国際高等部。もともと私服の学校ですが、「不思議ウィーク」と題して、みんなパジャマで授業を受けたり、コスプレしたりと、学校を挙げて「服装」を楽しんでいます(先生も参加するそうです)。
中には、みんながなんちゃって制服着用で登校する「制服デー」もあるとか。一周しちゃってる感じですが、そんな「制服デー」だったら楽しそう!