箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回のゲストは・・・
佐藤太郎さん(大阪大学大学院医学系研究科先進癌薬物療法開発学寄附講座教授)
中西絵里奈さん(医学系研究科放射線治療学)
がん専門の医療人「がんプロ」を育てるプログラムについてお話しいただきました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)
函館出身で、青森県の弘前大学医学部に進学した佐藤さん。
「あまりまじめな学生ではなかった」といいますが、『白い巨塔』の影響もあり、がん治療の内科医を志します。
卒業後は研修医として経験を積み、アメリカ留学を経て、近畿大学の腫瘍内科に赴任。
2011年に、大阪大学で開講した「寄附講座」に誘われて移籍し、現在に至ります。
「寄附講座」とは、企業などからの寄附で運営するもの。
佐藤さんの専門は抗がん剤での治療で、現役の医師として治療にも当たっています。
吹田市出身の中西さんは、放射線治療が専門。
医療の道を志したのは、TVで救急救命のドキュメンタリーを見たのがきっかけ。「人の命を救いたい」という思いを貫き、神戸大学を卒業し、現在は大阪大学医学部付属病院で医師として勤務しています。
●がん治療の進歩と細分化
がんの治療は時代と共に進歩し、患者へのダメージを極力抑えた手術や、放射線治療でも副作用を抑える照射が行われるようになっています。
昔は治らなかったものも治るようになったり、余命を伸ばすこともできるようになってきました。
それでも、がんが命に関わる病気であることは変わりません。
医療が進歩した分、専門の細分化が進んで、昔は一人の医者があれもこれもやっていた分を、さまざまな専門医やスタッフが分担するようになっています。
ただ、自分の専門だけを狭く深く知っていればよいというものでもなく、他の分野についても知ることが大切だともいいます。
専門家でありながら、各分野を横断的に見られる医療者が連携して治療に当たる。それが理想的ながん治療の姿といえるでしょう。
●がん専門の医療人を育てる「がんプロ」
そんな医療者を養成するには、教育が必要不可欠です。
そこで15年前から、がん専門の医療人を育てる養成講座「がんプロ」がスタートしました。
医療系学部のある大学が連携して医療者を育成するというもので、各大学の強みを共有し、不足を補い合うことで、より良い教育環境を整えています。
対象は大学院生を中心に、現役の若手医師や医療スタッフなど。
中西さんも医師として勤務しながら、「がんプロ」で講義を受けたり、他の医師や患者さんと交流しています。
「患者さんの生の声を聞けるのはすごく貴重なこと。治療にも生かせます」
講義で最先端の知識を学んだり、グループで治療のシミュレーションを行ったりも。他の分野の人がどう対応するのか、とても参考になるといいます。
また、専門医の資格を取ることもできるそうです。
この「がんプロ」は現在、5年ごとの更新の時期を迎えていますが、来年度の資金調達が不透明な状況にあります。
そこで広くみなさんから寄付を募って、確実に「がんプロ」を続けていけるように、クラウドファンディングを立ち上げることになりました。
がん専門の医療人「がんプロ」を育てるプログラムの継続を!
期間:3月24日(木曜日)まで
寄附:一口3千円から
10年後、20年後のがん医療の充実のためにも、「がんプロ」の継続は社会に欠かせない重要なものです。
がんは、誰もがかかる可能性があるもの。
あなたの大切な人のため、あなた自身のために。
心あるご支援を!