スペシャル企画・直木賞作家 今村翔吾 × 箕面市長 上島一彦 最強対談!

2022/03/02

2月16日(水)、箕面市役所では、
直木賞作家 今村翔吾さんへの「箕面本屋大使」授与式が行われました。

箕面市では2010年から、市にゆかりがありさまざまな分野で活躍している個人や団体に特命大使を授与、箕面市のPRに貢献していただいています。
「箕面本屋大使」は、今村さんが市民の読書振興や地域振興に多大な貢献をされたことで授与されたもの。
みのおエフエムは「箕面本屋大使」授与式直後の今村翔吾さんと上島一彦市長との対談を企画、特別番組としてお送りしました。

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お二人の話題は多岐にわたって繰り広げられました。
その中からいくつかご紹介します。

●箕面本屋大使について
まず、上島市長から語られたのは、今村さんが受賞された第166回直木賞へのお祝いの言葉でした。
昨年、存続の危機にある箕面市の本屋さんの経営を、現役作家である今村さんが引き継いでくださったことで、大きな話題を呼びました。
また、年が明けてすぐに直木賞を受賞されたことで、箕面市に一層の活気が生まれたことに感謝し、今後もまちの本屋さんを守り、子どもたちが本や歴史へ興味を持つきっかけづくりをしてほしいとの期待を込めての「箕面本屋大使」であることが説明されました。

今村さんが本屋さんの経営を引き継いだ理由の一つは、子どもたちや青少年への想い。
今後も何かしたいと思ったときに、行政の手助けが必要だと感じておられたため、「箕面本屋大使」として認められたことは、文学賞受賞とはまた違う喜びだったと語られました。

●コロナ禍について、歴史から学ぶこと
現代の問題を歴史に当てはめて、小説を書かれる今村さん。
今、私たちが直面しているコロナ禍についても歴史から学べると考えておられます。
「人間の歴史、という点から見ると、今回のようなこと(ウイルスや伝染病など)は幾度となくありました。
私たちが今元気に存在していること自体が、人類が問題を乗り越えてきた証と言えます。
事態を軽んじているわけではありませんし、油断もできませんが、これまで人類が乗り越えてきたことを希望や自信に変えて、感染対策に取り組んでいければと思います」

●子どもたちへの想い
今村さんは、30歳までは家業のダンス教室の先生として、子どもたちに接してこられました。
そのときに大事にされていたことは「一人一人、みんな違う」ということ。
「その子個人の個性だけではなく、ご家庭の色だったり、周囲の人の影響だったり、そういうものを含んで一人ひとり違うのだということを大切にしながら接するようにしていました」とおっしゃる今村さん。
”子育てしやすさ日本一”をめざす箕面市としても、「教育のヒントをいただいた」とうなづく上島市長でした。

●夢を叶えるのに年齢は関係ない
上島市長と今村さんは、ジャンルは違うものの、家業で働いたのちに、ご自身のやりたいこと、めざすものに向かったという共通点があります。

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上島市長は大学卒業後、家業の紳士服業に就いていましたが、常に心に燃えるものがあったそうです。
そして20年間家業を務めた後、政治家としてスタート。
「自分の夢を追う、自分の道を進むということは、同時に結果の責任は自分が持つということ。夢を追い続けて一生勉強だと思っています」

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今村さんは30歳のときに小説家に転身しました。
「僕個人は夢を追って良かったと思っています。今『夢は必ず叶う』と声を大にしては言いにくいような環境ですが、僕を見て夢を実現することが可能なんだな、と思っていただけたら。
僕自身、直木賞が夢のゴールだとは思っていません。
個人差があると思いますが、それぞれに転機はあります。
『ここだ』と思ったときには、自分の夢を追っていいのではないかと思います」

●今後の夢
直木賞が夢のゴールではないと語る今村さんに、上島市長が直近の夢をたずねました。

今村さんが今、考えておられるのは、コロナ禍が落ち着いた頃、ラッピングしたワンボックスカーに乗り、数カ月かけて全国47都道府県の本屋さんや学校・図書館などを、一筆書きで回ること。
一度もご自宅に帰らずに巡るということです。
「もちろん箕面市のことはホームタウンと思っていますので、その際にはぜひよろしくお願いします」とおっしゃる今村さんに上島市長からは「盛大に応援します」と力強いエールが送られました。

●箕面市の他の本屋さんや図書館とのコラボについて
ご自分の書店さえ良ければいいとは思っていないと語る今村さんは、希望があれば他の本屋さんにも足を運んだり、サイン本、色紙など協力を惜しまないとのこと。
また、図書館については、まず読書の入り口にしてもらい、「読者に、この作家の本は買って家に置いておきたいと思ってもらえるような作品を作り出していきたい。また、他の作家さんたちも箕面に招いて、講演会などをやっていきましょう」と語る今村さんでした。

●秀吉の書を意識?
今村さんのサインは戦国武将の花押のよう。

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それについては「意識しています」とのこと。
今村さんがお好きなのは太閤秀吉の書。
あまり教育も受けていなかったのに、努力で身につけた秀吉に倣って、ご自身も「書」については極めていきたいそうです。
今村さんはご著書の重版など、節目にはそのときの気持ちなどを絵や書としてしたためるようになさっているとのこと。
「箕面本屋大使」授与式で色紙を求められた際にも、1分ほど考えただけでこのような素晴らしい句をしたためられました。(色紙にご注目ください)

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●箕面市が小説の舞台に?!
箕面市ゆかりの歴史上の人物を挙げる上島市長。
その中の一人、小楠公(楠木正行)を主人公とした小説を、今まさに書き始めておられる今村さんからは「分かりました!小説の冒頭は箕面市にしましょう!」とうれしい言葉をいただきました。
箕面には、小野原東の西国街道に楠木正成が湊川の戦いに行く際に、ここの井戸水を飲んだと伝えられる「楠水龍王」のお堂があります。
小説の詳細についてはまだお話しできない段階なのだそうですが、今村さんご自身が「僕史上一番大きな作品の連載です」とおっしゃっています。
完成が楽しみですね!

「全国を回るキャラバンの際には、箕面市をホームタウンと思って来てください。今村さんがやりたいことのために、我々は全力で応援しますし、今村さんには図書館や子どもたちにお力を貸していただくことも多いと思います。どうぞよろしくお願いいたします」という上島市長の中締めの言葉を挟んで始まった後半は、ざっくばらんな会話となりました。

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今村さんが東京の焼肉屋さんで「箕面ビール」を見つけたお話し、上島市長と今村さんのもう一つの共通点はヨーロッパ好き、直木賞受賞後周囲の反応がどのように変わったのか、など、和やかな会話も含むスペシャル企画「直木賞作家 今村翔吾×箕面市長 上島一彦最強対談!」はタッキーYoutubeチャンネルでもお聴きいただけます。


Coming Soon
(再放送が全て終わってからアップします。しばらくお待ちください)

 

執筆速度が早いことで有名な今村さんですが、実はそれ以上に、新たな小説のアイデアが浮かぶ速さの方が優っているそうです。
「この調子だったら最後まで書きつづけられると思います」と力強く語っておられました。これからも今村さんの新作が店頭に並び続けることでしょう。
安心して今村さんの作品を読破していってくださいね。

文責:千波留

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【直木賞作家 今村翔吾 × 箕面市長 上島一彦 最強対談!】
放送日時:
3月2日(水曜日)20:30~21:00、
3月7日(月曜日)13:30~14:00、21:30~22:00、
3月11日(金曜日)14:00~14:30、
3月13日(日曜日)09:00~09:30
進行:千波留(デイライトタッキーパーソナリティ)
PC・スマホでもリアルタイムでお聴きいただけます→ コチラから
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