今月から始まった新コーナー「今月のMyスポットライト」。
夢は寝ている時だけに見るものではありません。
劇場や映画館では私たちは起きていながら夢を見ます。
そんなステージの「夢」について熱く語る時間です!
初回の今日は、素敵なゲストをお迎えしました。
元タカラジェンヌでミセスユニバース2021ファイナリストでいらっしゃる彩ひろみさんです。
彩ひろみさんは宝塚音楽学校に主席で合格。1989年に75期生として宝塚歌劇団に入団、7年間活躍されました。退団は1995年。阪神淡路大震災の影響で彩さんのサヨナラ公演は一旦上演中止になるなど、波乱に満ちたものとなりました。
退団後、結婚、出産、育児などを体験したのち、再び歌などの芸能活動を再開されました。
「宝塚を退団後、芸能活動をするつもりはなかったのですが、自分にできること、伝えられることはなんだろうと考えるうち、歌やステージ活動を再開することになったのです」
2014年には箕面市のメイプルホールでの「ステージ・オブ・ドリームス 元タカラジェンヌと舞台へ」にご出演。2016年にはタッキーの番組コーナー「聞かせて!ペット自慢」に、愛犬あずきちゃんと共にご出演くださったことも。
そして昨年(2021年)には、ミセスユニバースにエントリー。
「ずっと宝塚歌劇で学ばせていただいたことをベースに活動してきましたが、ミセスユニバースへの挑戦は、これまでの活動とは全く違うものでした。もちろんベースには宝塚歌劇で学んだことがあるものの、ミセスユニバースとしての歩き方や、筋肉の使い方、体の見せ方などはこれまで経験したことがないものでした。そもそも15㎝、16cmのヒールを履いて歩くなんてなかったですし、そんな(ヒールの高い)靴をどこに行ったら買えるの?って感じでした。でも、新しいことに挑戦できることにワクワクしました」とおっしゃる彩さん。さまざまな研鑽を積んで、見事にファイナリストとなったのでした。
新しいチャレンジが実を結び、まさに順風満帆と思われた矢先に、彩さんに重大な病気が判明しました。
甲状腺に腫瘍が発見されたのです。
彩さんは最初、この腫瘍を切除することを躊躇しました。というのも、腫瘍は声帯のすぐ近くにあり、手術することで声帯が傷つき声を失うのではないか、歌えなくなるのではないかと恐れたからです。しかし、医師からは、このまま放置して腫瘍が大きくなった場合、声を失うリスクが今より大きくなるとお聞きして、手術を決意されたのでした。
手術までの日々、彩さんはご自身のCD作成に力を注ぎました。ご自分の声を残しておこうと思われたのです。
「最初は『冥土の土産』みたいな気持ちで作成しはじめたCDですが、さまざまなミュージシャンのご協力を仰いで作り上げているうちに、後ろ向きな気持ちが薄れ、生きる活力になっていることに気がつきました」
年が明けてからの手術、リハビリを経て、今日のタッキーへのご出演が彩さんにとって復帰初仕事となりました。
声を失うどころか、手術中に何があっても仕方がないと一度は覚悟した彩さんは放送直前に、「ドキドキする!でも本番前にドキドキできることが嬉しい!」とおっしゃっていました。
ご病気を乗り越えた今、過去を振り返り、これまで支えてくださった皆さんへの感謝の気持ちが強くなったとおっしゃいます。特に亡きお父様が書き残してくださったメッセージは彩さんにとってとても大切なもの。そこには、子どもの頃から色々なことにチャレンジする彩さんを見守ることが本当に楽しく嬉しかったと書かれていたそうです。そして特別に大きく太い文字で「真弓(彩さんの本名)は大丈夫、できる」と書いてくださっていたそうです。
そのメッセージを胸に、今後は、自分を育ててくれた宝塚歌劇をもっと多くの人に知っていただくことと、彩さんだけが取り組んでおられる谷崎潤一郎の朗読舞に力を注ぎたいとおっしゃっていました。
2022年6月19日(日)には、兵庫県芦屋市にある谷崎潤一郎記念館で 朗読舞「春琴抄」が上演されます。興味のある方は、こちらをご参照ください。
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彩ひろみさんは、スポットライトを浴びる立場におられ、これまでもこれからも輝いておられますが、ご本人の努力や精進だけではなく、多くの人のお力添えもあっての輝きだったのですね。
それを客席で拝見した人が、元気や希望をもらって、その人の人生にも輝きが生まれる、そんな素晴らしい循環がありますように。
【追記】
番組終了後、彩ひろみさんとお話をさせていただいたのですが、宝塚音楽学校時代のエピソードや在団中のアクシデント、嬉しかったことなど、波瀾万丈すぎる内容に、びっくり!
彩さんにはまた日を改めてご出演いただき、「宝塚あるある」を語っていただきたいものです。
「今月のMyスポットライト」
毎月第4水曜日 午前11時~
再放送 当日午後8時10分~
(文責:千波留)