まちのラジオ第2週 女性の2人に1人が悩まされる!?「骨盤臓器脱」についてのクラウドファンディングにご協力を!

2022/12/08

machi_221208a箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回のゲストは・・・

小玉美智子(こだま・みちこ)さん(大阪大学医学系研究科 産科婦人科学教室 助教)
土居愛実(どい・まなみ)さん(大阪大学医学系研究科保健学専攻 2年次)
中村麻貴(なかむら・まき)さん(大阪大学共創機構渉外部門クラウドファンディング学内キュレーター)
嶋谷泰典(しまたに・やすのり)さん(大阪大学 21世紀懐徳堂、万博推進室、共創機構 特任教授)

「骨盤臓器脱に関するクラウドファンディング」についてお話しいただきました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)

「骨盤臓器脱(こつばん ぞうきだつ)」。
初めて聞くかたも多いのでは?
でも実は、出産を多く経験したかたなど、主に女性がかかりやすい症状で、年配の女性の半分ほどが悩まされているとも言われています。
骨盤の中には、臓器が落ちないように支える「骨盤底筋」があります。
この筋肉が出産で損傷したり、加齢で弱くなり、臓器を支えきれなくなる・・・。
その結果、膀胱や子宮、直腸などが垂れ下がって来て、場合によっては体の外に飛び出してしまうこともあります。
そこまでひどくなくても、トイレに行く回数が増えたり、歩きにくくなったり。
予防のために骨盤底筋を鍛えるトレーニングもあり、一定の効果があると言われています。
重度の場合は、手術が必要になることもあります。
日常生活にもかなり支障が出てきますが、命に関わるものではないので、ずっと我慢したままで過ごしている人も相当いるようです。
小玉さん「あるかたを治療したら、その友人が『○○さんから聞いて・・・』と来院されることがよくあるんです」

どこに相談すればいいかわからない。

相談すれば、対処法などで改善できるのに。
そもそも、他人に打ち明けづらい症状なので、情報そのものがあまり知られていないというのが現状なのです。
(相談先:産婦人科、泌尿器科など)

土居さんは、助産師をめざす中で「骨盤臓器脱」の現状を知り、人知れず悩む女性を少しでも減らしたいと、プロジェクトを立ち上げることにしました
それは、骨盤臓器脱の情報を発信するプロジェクト。
動画やホームページ、パンフレットで、親しみやすいイラストを用いてわかりやすく紹介するというものです。
2023年6月以降の公開をめざして、その制作資金を集めるため、クラウドファンディングが始まりました。

なんと、開始早々に1stゴールを達成!
それだけ、この問題に関心を持つ人が多いということなのでしょう。

長年の悩みから解放され、生活の質を取り戻して、喜ぶ女性の姿を多く見てきた小玉さん。
もっと早く相談してもらえたら・・・。
古くはエジプトのパピルスにも出てくるという「骨盤臓器脱」。
人類の歴史の中で、ずっと女性を悩ましてきたこの症状に、ようやく光が当たろうとしています。
このクラウドファンディングも「光を当てる」取り組みの一つと言えるでしょう。
ぜひ、みなさんもご協力を!

●クラウドファンディング
骨盤臓器脱で悩む女性が受診しやすい社会へ|大阪大学医学系研究科