まちのラジオ第2週 外国にルーツを持つ子どもたちへの支援に取り組む「ふくふくセンター」4月オープン!

2023/03/09

machi_230309a箕面の主な活動グループが週替わりでお送りする「まちのラジオ」。毎月第二木曜は、大阪大学社学連携事業。大学と社会のつながりをテーマに放送しています。
今回のゲストは・・・

矢元貴美(やもと・きみ)さん(大阪大学大学院人文学研究科外国学専攻 講師)※フィリピン語
近藤 美佳(こんどう・みか)さん(同)※ベトナム語

「複言語・複文化共存社会研究センター『ふくふくセンター』」について伺いました。
(聞き手:タッキー816スタッフ 野間耕平)

矢元さん、近藤さんの職場は、大阪大学箕面キャンパス。外国語学部の建物は、タッキー816のはす向かい、歩いて1分で到着する距離です。

■各言語との出会い

●矢元さん
中学生のとき、交換留学でオーストラリアへ。ホストファミリーが中国系フィリピン人で、家庭内で話しているフィリピン語の響きに興味をもったのがきっかけでした。
大阪外国語大学でフィリピン語専攻に入り、マニラで留学も経験。
「大学で学んだ言葉そのままだと、どこか変な感じで・・・。そこで周囲の人たちの会話を聞きながら、より自然な言葉を身に付けていきました」
卒業後は、フィリピンから来た子どもの学習支援などに携わりながら、社会人大学院生として研究を続け、2019年からは現職となっています。

●近藤さん
小学生の頃、TVで見たベトナムの服「アオザイ」に魅せられて。
いつか私もベトナムに行って、自分のアオザイをあつらえるんだ・・・!
その決意通り、大阪外国語大学ベトナム専攻へ入り、ハノイで留学も経験。
「楽しくて、ごはんも美味しくて」
卒業後は通訳・翻訳などベトナム語に関するいろいろな仕事に携わりながら、ベトナムから来た子どもたちの学習支援にも関わっていました。
2020年から現職となっています。

■複言語・複文化共存社会研究センター『ふくふくセンター』
近年、外国にルーツを持つ子どもは増加の一途をたどっています。
地域の小中学校などで授業を受けるときに、言葉がわからなくて困る・・・。
そこで、学習支援スタッフが付いて、先生の言葉を訳したり、勉強を助けたりといった支援が行われています。
ただ、全てのニーズに応えられているわけではなく、自治体によっても対応に差があるといいます。
本来は国が対応して、地域差や不平等を解消していくべきですが、追い付いていないのが現状です。
そこで立ち上がったのがこの「ふくふくセンター」。
大阪大学外国語学部の専攻25言語という多言語を生かし、学生が支援に関わったり、自治体からの相談を受け付けたり、外国にルーツを持つ子どもたちの支援を総合的に行っていくというもので、4月にオープンします。
(新しく建物が建つわけではなく、外国語学部内の組織として設立)

矢元さん、近藤さん自身の体験からも、外国にルーツを持つ子どもたちに関わることは、得難い自分の経験となり、人間として成長できるチャンスだということです。
「今後、イベントなど、気軽に参加できる機会も設けたいと思います」
堅苦しく考えるよりも「違いを楽しむ」。
そんな「ふくふくセンター」の取り組みに、ぜひ注目を・・・!machi_230309b