地域に暮らす若い人たちの声をラジオで届けたい。
そんな思いから、タッキー816では「ハイスクールプログラム」を毎週放送しています。
ただし、出演は、特定の高校・特定のクラブのみ。
そこで、ラジオに出てみたい中・高・大学生たちが自由に集まって、語り合う番組を企画しました。
タイトルの「発信!じゅーだいスクランブル」は、
・戦闘機の緊急発進(重大スクランブル)
・中・高・大学生などが混ぜこぜ(十代スクランブル)
という二重の意味があります。
今を生きる十代の若者が、切実に思うこと、伝えたいことは何なのか。
番組づくりを通して、一緒に考えていければと思います。
第20回となる今回、リモート収録には中学生から大学生まで8人が参加しました。
(名前/学年/きょうだい構成)
・かいり(大4)弟
・な な(大2)弟2
・くぼっち(大2)
・いくちゃん(大2)兄2
・烏龍(大1)弟
・小 鉄(高3)
・れ い(高1)
・ゆうた(中3)兄
今回のテーマは・・・
少子化により日本の人口が減り続け、社会問題となっています。
これに対し、政府では「異次元の対策を行う」ことを表明し、この問題に本気で取り組む姿勢を見せています。
この少子化対策は、つまり若い世代に対して「子どもをたくさん産んでください」ということになります。
いろいろな報道がある中、当事者である若者の声はあまり取り上げられていません。
子どもは世のため人のために産むもの?人口は維持すべきか、減ってもいいのか。
若者たちの本音は?
★将来、子どもはほしいですか(何人?)※一人ずつ
・かいり・・・・1人
・烏龍・・・・・2人
・な な・・・・1人
・くぼっち・・・2人
・いくちゃん・・0人
・小 鉄・・・・1人
・れ い・・・・0人 or 1人
・ゆうた・・・・1人
8.5人/8人 → 出生率=1.06
★出生率(しゅっしょうりつ)の高い国、低い国
<2020年の合計特殊出生率>
1位:ニジェール 6.89
2位:ソマリア 6.42
3位:チャド 6.35
4位:コンゴ民主共和国 6.21
5位:マリ 6.04
189位:日本 1.34
195位:中国 1.28
202位:台湾 0.99
206位:韓国 0.84(最下位)
世界の出生率、上位はアフリカ諸国が独占。
下位グループは東アジアの国々、と地域差が明確に見て取れます。
ニジェールの女性は、平均で7人近く産むことになり、10人以上産むケースも珍しくないでしょう。
どうしてこんな差が?
2022年、韓国では出生率が0.78という衝撃的な数値になりました。
その韓国出身の烏龍さん、一体なぜでしょう?
「一つの理由として、物価が高くなってることが挙げられます。先日、韓国の親に電話して『卵が高くなって、1パック300円もするんだ』と愚痴ったら、『何を言ってるんだ。こっちなんか1パック800円だぞ』って」
子育てには、何かとお金がかかります。
子どもが一人増えれば、その分支出も増える。
物価の上昇は、出生率の低下に拍車をかけている原因の一つ、と言えそうです。
では、人口が減ったらどうなるのでしょう。
もし人口1人の国があったら、毎日食べ物を得るだけで精いっぱい。
人口が100人になれば、食料作りをする人以外に、服や家作りを専門的にする人が出てくる。
1万人、100万人と増えるにつれ、文化や芸術に専念できる人が現れ、生活はより豊かになることでしょう。
逆に言えば、人口が減ればその分、社会の多様化・豊かさが失われることに。
★もしも日本の子どもが、今の10分の1になったら
学校の数が減り、1クラスの人数も少なくなる。
子どもに関わる職業も衰退。
教師、保育士、小児科医、助産師、塾、習い事、子ども用品、おもちゃ、駄菓子メーカーなど、倒産したり不人気業種となって、志望者が減り質も低下・・・。
野球の甲子園大会は、代表校制度ではなく、各都道府県内で選手を集める選抜チーム方式に。
プロスポーツも衰退し、プロ野球は4球団程度で、本業と掛け持ちでプレーすることに。
伝統芸能や伝統工芸は日本人の継承者がいなくなり、外国人によって受け継がれる逆転現象。
過疎地域や限界集落は無人となり、赤字の鉄道は廃線。
大学や企業の国際競争力は地に落ち、社会全体がさびれたゴーストタウン化していく・・・。
★人口減を補うため、移民を受け入れるべきか
「ありだと思いますね」
人口が減った分、アフリカやアジアからの移民を受け入れて、数を保てばよいという意見。
それが可能なら、少子化問題は丸く収まり、あっさり解決します。
でも、無制限に移民を受け入れるのが、果たしてよいことなのか。
移民の数の方が多くなったら・・・?
★出生率を上げるためにはどうすればいいか
ハンガリーでは、少子化対策として
・40歳までの夫婦に、およそ350万円を無利子で貸し付け
・子どもが3人生まれたら返済不要
・4人生まれたら所得税を一生免除
こんな大胆な対策を実施し、出生率が1.23→1.56に増加したといいます。
日本でも同じことは可能?
それには国家予算から、相当な支出が必要となります。
そもそも、お金さえもらえれば「子どもを持ってもいい」と思う?
それでも、子育てにかかる労力は、お金だけでは解決できない部分も大きい。
それなら、子どもは持たずに、ゆとりを持って生活する方がいい。
こう考える若者が多くなっているようです。
「子宝」という言葉があるように、古くから「子どもは宝」と考えられてきました。
それが今では「自分が宝」という考えが優勢になっているのかもしれません。
少子化は先進国の趨勢で、簡単に答えが出る問題ではありません。
そんな中で、若い世代に「やっぱり子どもは宝」と思ってもらうために。
大人も子どもも若者も、一緒に考えていく必要がありそうです。