大阪大学が発信するホットなトピックの数々を、公開録音でお送りする新番組「ハンダイラジオ」。
第1回の公開録音を、4月26日(水曜日)に、大阪大学吹田キャンパスで行いました。
会場は、医学系研究科保健学科棟。
その玄関前、軒先にブースを設置し、学生や職員のみなさんが「何だろう・・・FM?ラジオ?」と見ながら通る中での録音となりました。
<出演>
嶋谷泰典(しまたに・やすのり)さん(大阪大学特任教授 21世紀懐徳堂副学主 万博推進室副室長)
渡邉幹夫(わたなべ・みきお)さん(医学系研究科保健学専攻教授 医学系研究科附属ツインリサーチセンター センター長)
坂田洞察(さかた・どうさつ)さん(大阪大学医学系研究科ツインリサーチセンター 准教授)
萩原圭祐(はぎはら・けいすけ)さん(大阪大学大学院医学系研究科 先進融合医学共同研究講座 特任教授(常勤))
中村麻貴(なかむら・まき)さん(大阪大学共創機構渉外部門クラウドファンディング学内キュレーター)
佐野桂子(さの・けいこ)さん(大阪大学共創機構渉外部門ファンドレイザー)
<聞き手>
野間耕平(タッキー816みのおエフエム ディレクター)
お湯(ラジオ番組制作サークル「FM OH!まちかね」メンバー)
●ハンダイラジオについて
嶋谷泰典(しまたに・やすのり)さん(大阪大学特任教授 21世紀懐徳堂副学主 万博推進室副室長)
21世紀懐徳堂副学主として、昨年から1年間、番組に関わってきた嶋谷さん。
「新しいハンダイラジオという形で、今後大阪大学の各キャンパスや、石橋商店街の中でも公開録音ができたらいいなと思っています」と嶋谷さん。
「社会との関わりをPRするのが仕事」ということで、大阪万博との連携も担当されています。
2年後の大阪万博、嶋谷さんが会場から空飛ぶクルマに乗って、大阪大学まで飛んでくるかも!?●ふたご研究について
渡邉幹夫(わたなべ・みきお)さん(医学系研究科保健学専攻教授 医学系研究科附属ツインリサーチセンター センター長)
坂田洞察(さかた・どうさつ)さん(大阪大学医学系研究科ツインリサーチセンター 准教授)
一卵性双生児の、一方が血圧が高く、もう一人は正常。
その場合、高い方は環境や習慣の影響を受けていることがわかります。
両方とも同じように血圧が高ければ、遺伝的な要因だと推測されます。
ふたごを調べることで、病気の原因が特定できたり、ふたご以外の人にも恩恵があるといいます。
ふたご研究をするには、まずふたご集めから。
「例えばフィンランドでは、住民登録データの参照が可能なので、簡単にふたごを把握できます」
しかし日本ではそれができないので、ふたご探しは口コミの地道な作業。千里ニュータウンにDMはがきを一斉に送ったこともあるそうです。
そうやって築き上げてきた、大阪大学のふたごデータベースは、日本国内でのふたご研究に欠かせないもの。
「ツインリサーチセンター」という施設を構えて、ふたご研究の資料を保管し、充実させているのは、大阪大学だけだといいます。
それが今、存続の危機に!?
センターの維持には経費・人手が必要ですが、そのための予算がかなりピンチとのこと。
維持できなくなれば、貴重な血液や遺伝子のデータが失われ、ふたごのみなさんと連絡が取れなくなり、追跡調査が不可能に。
このままでは、ふたご研究が大きく後退し、諸外国に後れを取ってしまう・・・。
そこで、この度クラウドファンディングを活用して、維持のための資金を募ることになりました。
「存続の危機。日本で類を見ない体系的ふたご研究基盤の存続にご支援を!」
↑クラウドファンディングがスタートしています(6月30日まで)。
興味のあるかた、何か支援したいというかたは、ぜひご協力を!●レジリエンス研究
萩原圭祐(はぎはら・けいすけ)さん(大阪大学大学院医学系研究科 先進融合医学共同研究講座 特任教授(常勤))
「レジリエンス」とは、人間の持つ回復力。
事故や災害で大きなダメージを負った場合、回復していく人もいれば、回復できない人も。
どうして個人差が生まれるのか、その研究により「レジリエンス」のことがだんだん明らかになってきました。
「これまで心の問題と考えられてきましたが、身体との関わりがあることがわかってきたんです」
心と身体を結び付けている自律神経や、腸内細菌の働きが、レジリエンスを左右するといいます。
また、何気ない一言で、レジリエンスが下がったり、上がったりすることも。
「若い医者の中には、『もう手の施しようがありません』と平気で告げて、患者のレジリエンスを下げてしまう人もいます」
逆に、日常のちょっとした励ましの一言が、レジリエンスを高めたりも。
日本では古来から、災害などのたびに助け合い、支え合いながら、レジリエンスを高めあってきた歴史がありました。
それが今、失われてきているのでは?と萩原さんは危惧しています。
このレジリエンスを広く知ってもらい、みなさんが日常的に接することができるように、アプリを開発する計画があります。
その資金調達のため、クラウドファンディングを実施予定。
クラウドファンディング「レジリエンス(回復力)を見える化して、With コロナ時代を乗り切ろう!」
萩原さんはこれまで、老化や子育て世代のうつを評価するため「喜怒哀楽、社会とのつながりにフォーカスした質問紙」を作っていました。
それをアプリ化することで、スマホなどで手軽に自己診断できるようにして、レジリエンスを見える化しよう。
自分のレジリエンスがわかれば、生活改善のための指標になる・・・。
そのうち「最近レジリエンスどう?」みたいな会話が、あいさつ代わりになるかもしれません。●クラウドファンディングについて
中村麻貴(なかむら・まき)さん(大阪大学共創機構渉外部門クラウドファンディング学内キュレーター)
これまで「まちのラジオ」(ハンダイラジオの前身番組)に何度か登場して、クラウドファンディングのPRを行ってきた中村さん。
「おかげさまで、これまで紹介したものは全て、100パーセント以上を達成しました!」
中には300パーセントを超えたものも。
「いろいろな人からの激励も届いて、本当に嬉しい。すごくやりがいを感じています!」●阪大ワニカフェについて
佐野桂子(さの・けいこ)さん(大阪大学共創機構渉外部門ファンドレイザー)
「阪大ワニカフェ」とは、大阪大学の研究者や専門家が、地域のみなさんといろいろなトピックについて語り合うもの。
サイエンスカフェと哲学対話が合体したものだということです。
第1シリーズとして、医学部の「面白い巨塔編」が3回に渡って開催されました。
お湯「私、参加したことあります!」
それは「がんとともに私らしく生きる」というテーマの回。
「学問的な内容ではありながらも、対話形式なので内容が日常に落としこまれ、参加者の実体験のエピソードも語り合われました」
<第2シリーズ まちづくり編>
日時:5月21日(日曜日)14時
場所:千里文化センター「コラボ」
内容:個人の経験「自分史」から、まちの歴史を語る
料金:1000円(資料代)
※ワニはいません
申し込み・・・21世紀懐徳堂のHPから「ハンダイラジオ 21世紀懐徳堂の社学共創」。
大学のみなさんに見守られながらの公開録音、あたたかい拍手に包まれて無事フィナーレを迎えました。
関係者のみなさん、ありがとうございました!