大学の先生や留学生をゲストに迎えたり、いま話題のテーマで討論したり、地域で行われている催しに参加して取材したり、毎月趣向を凝らしてお届けしています。
8月の「発掘!Osaka University」のコーナーでは、大阪大学大学院工学研究科助教(環境・エネルギー工学専攻)の松本邦彦さんをお招きして、お話をうかがいました。
松本さんの専門は「都市環境デザイン学領域」。
具体的には、「文化的景観の保護、歴史・まちづくり」です。
「人々が暮らしの中でつくってきた景観を、どう守っていくか。その方法を研究しています」
その対象は、古い民家や自然を始め、米作りなどの仕事にも及びます。
フィールドワーク(現地調査)で、いろいろなまちを訪れたという松本さん。
琵琶湖のほとりのまちの、湧水のある暮らし。
山里に残る棚田。
時には、不審者とまちがえられて詰問されることもあるとか。
「それでも、事情を話すとわかってもらえて『兄ちゃん、ちょっと家に寄ってけや』なんてことがよくあります」
知らない場所へ行って調査するのはとても楽しい、と松本さん。
プライベートな旅行で沖縄に行ったときも、店先で「どこか話を聴いて欲しそうな」おバアを見かけて、いつの間にかヒアリングを始めていたり…。
研究の今後については、
「空間を『作る』だけではなく、『使う』ことが大切です。使い方、楽しみ方を考えていきたいです」
と話していただきました。
松本さんの趣味は、楽器を演奏すること。
最近は、大阪市内の中之島で仲間と楽器を持ち寄り、演奏したり歌ったり踊ったりする「アーバンピクニック」もよく行っているとか。
もしもその辺りで、鍵盤ハーモニカを楽しそうに吹いている人を見かけたら、それはきっと松本さんです。