クラフトビールってどんなん?という飲んだことのないかたから、クラフトビールにめちゃめちゃ詳しいコアなファンまでが楽しめるトーク番組(第1日曜15時初回放送)。
クラフトビールの醸造から販売までを手がけ、ビアジャッジの資格を持つ谷和(たに・あい)と、旅のプロ・風間佳成(かざま・よしなり)がクラフトビールの魅力や最新の話題などを語ります。
今月のゲストは、関西のクラフトビールシーンを牽引してこられ、レジェンドとも呼ばれておられる喜色満面堂代表の西尾圭司さんです。
2024年7月に西尾さんのお店のエニブリュが17周年を迎えられました。
エニブリュは大阪メトロ御堂筋線終点のなかもず駅の近くにあります。
北急の箕面萱野駅から乗り換えなしで約1時間です。
喜色満面堂設立の2007年の世相
開店17周年ですよ、凄いですね!
当時はまだクラフトビールなど馴染みがなく、地ビールがいくつかあったくらいの時代です。
この年は、小島よしおが「そんなの関係ねえ!」「オッパッピー」で大ブレーク、バラエティ番組で人気が出たギャル曽根の「大食い」はこの年の流行語大賞ベスト10に入り、MLBオールスターゲームでイチローが史上初のランニングホームランでMVP、ゴルフでは高校生だった石川遼がプロツアー世界最年少の15歳8カ月で優勝、プロ野球では中日が53年ぶりに日本一に、などなどあった年でした。
西尾さんの経歴を伺うとビールとの出会いは必然だったと感じました。
クラフトビールに出会う前はバーの経営者兼バーテンダーをしておられたそうです。
そのときに海外のビールを扱っておられたそうですが、たまたまお客様からの紹介で軽井沢の某メーカーを訪ね、そこで飲んだハンドポンプからのリアルエールが衝撃的だったそうです。
すぐに大阪で初めてハンドポンプを取り入れた店になったのですが、認知されてなくて売れなかったという話をお聞きしました。
ポパイとのつながりと会社名・店名の由来
ひょんなことから二号店を出す話になり、東京両国のポパイの青木氏に出会ったのがきっかけでクラフトビール専門のビアバーをすることになったとのこと。
ポパイでマルチタップ(電源タップではなく、樽から繋がったビールサーバーの注ぎ口〈TAP〉が壁にいくつも設置されているもの)を初めてみて「これはすげえな」と感動!
やり方が分からない中で、青木氏に指導を受けながらビアバーをやることになったそうです。
2007年頃は大阪でクラフトビールの店は数件しかなかったんです。
僕が常連だったベルギービールのドルフィンズ、平野町にあったキューブリック、1997年に大下正司氏が創業された箕面ビール直営のビアベリーなどにビールファンは集っていましたね。
喜色満面堂という会社名がユニークです。
喜色満面とは、喜びの表情が心の中で包みきれず、顔じゅうにあふれ出ているさまをいいますが、西尾さんは、ビールなどのお酒でお客様を笑顔にしようというところから付けられました。
よくお饅頭屋さんと間違えられたり(お香屋さんみたいなイメージも)、銀行などで会社名を呼ばれるとみなさんが振り向かれるそうです。
西尾さんはなかもずのエニブリュの他に、南海堺東駅近くにヒビノビアというビアバーも経営されています。
店名の由来を聞くと、エニブリュは縁(えにし)とビール醸造からの造語だそうですが、フランス語でブリュットは特別なという意味もあるそうで、特別なご縁というもう一つの意味も含んでいるそうです。
ヒビノビアは、名前のとおり「毎日ビールと暮らす」をコンセプトに、毎日楽しい樽生ビールとお料理を提供されています。
取り扱うビールはどのような観点で決めておられるか興味がありました。
「日本だけでも750以上のブルワリーがあります。クオリティもどんどん上がってきていますので選択肢が広がっておもしろくなりました。仕入れのジャッジは、感覚的においしいもの、ニーズのあるもの、お客さんに知ってもらいたいものを選んでいます。さらに年間二つくらい醸造所に委託して造ったりしていますので、造り手のことも理解しているつもりです。樽生、缶、ボトル合わせて年間2000種類くらいのビールを扱っています。」と西尾さんは話してくれました。
IPAなどのようなホッピーなビールが流行っていますが、個人的には、逆にクラシックビールの良さを再認識しているということでした。
西尾さんの今後のビジョン
堺市は観光資源が多く、最近では百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたりして観光客が増えています。
エニブリュ、ヒビノビアともに観光客が押し寄せているかと思いきや、地元の人が多いとか。
やっぱり地元のかたにすごく愛されているんですね。
初期の頃は突飛なビール屋さんっていう扱われ方をしたので、地元の人はあまり来なかったそうです。
大阪の市内のちょっとエッジの効いたお客様とか新しいもの好きとか、そもそものビールファンとか、ポパイの紹介で東京から出張で来られたかたが来てくれたりして、だんだんと認知されるようになったそうです。
今ではほとんどが地元のかたで、肩肘はらずにビールなどを楽しんでおられます。
西尾さんは今年還暦の60歳、お店も世代交代。ご自身もいろいろと考えておられます。
「自分は何をしに生まれてきたのか、なんで生きているのかって考える。そして、人を楽しませるために生きているんだなというのを最近実感している。殺伐とした時代なので、お酒というツールがあって人が和らぐとかという感覚はなくしたくない」と述べておられました。
多くの経験を積まれてきたレジェンドの言葉は胸にしみます。
堺市の観光
古代より海の玄関口として栄えてきた堺。
伝統工芸の堺刃物、鉄砲の量産技術、世界に類を見ない日本最大の前方後円墳をはじめとする百舌鳥・古市古墳群、堺が生んだ偉人千利休と与謝野晶子を通して堺の歴史・文化を体験できるミュージアム・さかい利晶の杜、歴史ある和菓子屋・茶寮など見どころ、食べどころがいっぱい。
緑のミュージアム・ハーベストの丘にはブルワリーもありますよ。
2024年8月のクラフトビールイベント情報
🍺☆大阪クラフトビールピクニック&ビアホール
📝8月7日(水)と10日(土)ホテルグランヴィア大阪
ホテルシェフが考えたビールに合う料理とクラフトビールの飲み比べ、さらにFM802とのタイアップの企画など盛りだくさんのイベント
🍺☆真夏のなんば食楽祭
📝8月10日(土)~8月12日(月・祝)なんばカーニバルモール
関西のクラフトビールとビールに合うフード、心地よい音楽ステージを楽しみながらの大人向けの夏祭り
🍺☆第3回発酵デザイナー小倉ヒラクの発酵マーケット~麹
📝8月21日(水)~26日(月)阪神百貨店梅田店食祭テラス
クラフトなお酒、ビール、味噌、醤油のニューウエーブな催し。和ちゃんのクラフトビアベースも出店
🍺☆第27回全国地ビールフェスティバルin一関
📝8月23日(金)~25日(日)岩手県一関市
全国から集められた56のブルワリーから150種類以上の地ビールを求め、全国各地からビールファンが集結するイベント。
おつまみは地元の飲食店が地場産の食材を使って一関の味を提供
☆9月は箕面ビール感謝祭をはじめ、イベントがたくさんありますので、乞うご期待!
#ビールで明日を幸せに
次回は9月1日の放送です。お楽しみに!
(文責:風間佳成)
■クラフトビールCLUB
毎月第1日曜日15時放送(当日22時、翌月曜日15時リピート放送)
🍺谷和さんのクラフトビールのお店 CRAFT BEER BASE
【参考リンク】
喜色満面堂
麦酒俱楽部ポパイ
堺市観光ガイド
大阪クラフトビールピクニック&ビアホール
真夏のなんば食楽祭
発酵マーケット~麹
全国地ビールフェスティバルin一関