ステキなゲストをお迎えして、楽しいトークと素敵な音楽をお届けします。
お茶でも飲みながらステキな午後をお楽しみください。
今回のゲストは、精神科医の田中千足(たなか・ちたる)さん。6年ぶり2回目のご登場です。
物理学の研究者から精神科医へ、異色の転身を成し遂げられた田中さん。
もともと湯川秀樹博士や友永振一郎博士への憧れの中で研究者を志し、京都大学で物理を研究し続けて17年。ですが、大学での就職難や学問の意義への迷い、父親の死などもあり、36歳で医学部を再受験することに。40歳で医師免許を取得し、その後精神科医として研修を重ね、箕面市に「田中メンタルクリニック」を開業されました。
クリニックでは「一寸先は光」という理念のもと、白衣を着ず、敷居の低い診療を心がけ、多くの患者と長年向き合ってきた田中さん。70代前半で後進に医院を譲った背景には、精神科医療の継続性への強い責任感がありました。その後はフリーランス精神科医として、講演や執筆、病院での診療を続けています。
田中さんの著書『我が修行時代 その後』にも触れられ、精神科医としての日常や患者とのやり取りから生まれた「ええかげん主義」が語られました。完璧主義や「こうあるべき」に苦しむ人々に対し、まずは今の自分を認め、褒めることの大切さを伝えてきた姿勢が印象的でした。
また、自閉スペクトラム症と知的障害のある息子さんの存在が、医学を志した大きな動機であり、障害を「治す」のではなく「受け入れる」ことを学んだ経験が語られました。息子さんのアート作品から教えられたことや、多様性を尊重する視点も共有されました。
田中さんによると、人生は36年周期で1回目の修業時代、2回目の修業時代と数えられるそうです。
「72歳からは第3の時代ということになるので、私は108歳まで修行を続けたいです」
ええかげん主義で、気楽にまっしぐらに修業してまいります・・・そんな田中さんの姿勢に、生きる上でのヒントがたくさんもらえるようでした。

