ふらっとちゃっと エネルギー消費の予測は「シムシティ」で!?山口容平准教授 

2015/05/10

flat-1山口容平さん(前列中央)
大阪大学で環境を学ぶ学生がお送りしているラジオ番組「ふらっとちゃっと」。
大学の先生や留学生をゲストに迎えたり、いま話題のテーマで討論したり、地域で行われている催しに参加して取材したり、毎月趣向を凝らしてお届けしています。

■発掘!Osaka University
今回は大阪大学准教授の山口容平(やまぐち・ようへい)さんをお招きして、お話をうかがいました。
工学研究科の環境・エネルギー工学専攻に所属する山口さんは、「エネルギー消費予測」について研究しています。「人々の生活スタイルから、エネルギー消費を予測する」ということですが…

「一言でいえば、エネルギー版『シムシティ』です」

PCの仮想空間に都市を建設していくという、かつて人気のあったシミュレーションゲーム。その要領で、実際の人々の生活を「モデル」として表し、それに基づいて予測を行っているそうです。
ただ、一口に「モデル」と言っても、人々の生活スタイルは千差万別。予測の精度を高めるためには、きめ細かな調査が必要になります。
「例えば、『寝室に入ったあと何をするか』ということに対して、国の資料では『すぐに寝る』の一択しかありません。しかし実際は、本を読んだり、音楽を聴いたり、スマホをいじったり、いろいろなはずです」
多岐に渡る項目の情報を集め、よりよい「モデル」を作り出す…工学部の研究でありながら「あまり工学部らしくないかも」と話す山口さんでした。

かつて、オランダで3カ月半の研究の機会があったという山口さんは、そこでカルチャーショックを受けました。
日本の大学では、帰りが遅くなるのは当たり前、研究が深夜に及ぶことも珍しくありません。
オランダの大学では…
午後5時に、教授がやってきてこう言いました。

「ヨーヘイ、家に帰れ。これからは人生を楽しむ時間だ

日本ではなかなかそうもいきませんが、山口さんは早く帰る曜日を設定するといった工夫で、夜の時間を確保。そうやって得た時間は、ボーカルスクールに通ってゴスペルを歌ったり、料理教室、植物栽培、読書など、多彩な趣味に充てています。
世界を変えるには、まずは小さなことから。「小さく生んで大きく育てる」がモットーの山口さん、いきいきと楽しそうなお話ぶりが印象的でした。

flat-2「心のエネルギー」のポーズ?