お受験と写真@「カメラとお散歩」

2015/07/01

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」ではスタジオにカメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。
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今月は、お受験(私立小学校受験)と写真についてお話をお聞きしました。
宮本さんは、特定の対策スクール専属カメラマンとして入学願書用の写真を撮影していた経験がおありです。

まずは学校ごとに、写真の大きさや体裁に規定があり、その規定に沿わないと、アウトになりますから慎重に確認せねばなりません。

そして実際の撮影に際しては、失礼ながら、まだ幼稚園児ですからよそ見をしたり、グズったり、足をバタバタさせたり…といった状態が当たり前です。その対策としては、お菓子を持たせたり、お子さんが喜びそうな手作りの小物(花のアクセサリーを貼り付けたクリップや、バッジなど)を事前に用意する、など工夫をされていたそうです。
また、お子さんのコンディションが万全でないことも想定されます。たとえば髪に寝ぐせがついている、鼻がグズグズしている、肌荒れや、目が腫れぼったいなどなど。そのあたりは画像処理で解決することになります。しかし、過剰な画像処理は捏造につながりますので、慎重に。髪の寝グセ修正は許容範囲ではないでしょうか。また、受験にふさわしい服装で臨んでいただくことも大切な要素です。

撮影技術の点では、カメラマンが近づきすぎるとお子さんの表情が硬くなりやすく、反対に遠すぎると注意散漫となりがちです。上半身の写真ですので、広角で寄らず望遠系で適度な距離で撮影すると良いでしょう。望遠レンズは被写界深度が浅いですから、前後方向でピントが合う範囲を広くするため、より絞り込む必要があります。一方絞るほどに光量が減るためにシャッター速度は遅くなるため、ブレの心配が出てきます。照明を強くするのか、ISO感度を上げるのか、その場に応じた対応が必要となります。

ところで、学校の先生にお聞きしますと、
「写真の出来が合否を左右することはない」と明言されています。ですが当事者とすればやはりベストを尽くしたいのではないでしょうか。いろいろな意味で、お受験の写真は、写す側(カメラマン)と、写される側(ご家族を含む)の共同作業といえるかもしれません。

なお関連情報として宮本さんの学生向けのコラムをご紹介します。ご参考になさってください→「面接・エントリーシート……就活にも使える!第一印象を良くする『写真』テクニック」

「カメラとお散歩」8月は「天体写真」のお話です。お楽しみに。
月や星など、皆さんの「天体写真」やご意見、ご質問をお待ちしています。

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いただいた作品には宮本さんからの講評並びに、ワンポイントアドバイスがいただけます。
なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなどなるべく具体的に教えてくださいね。
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