紅葉を美しく撮ろう@「カメラとお散歩」

2013/11/06

毎月第一水曜日11時からお送りする「カメラとお散歩」では、スタジオにカメラマン宮本陽さんをお迎えして、カメラの楽しみ方や撮影エピソード、ワンポイントアドバイスなどを聞かせていただきます。

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真ん中に立っているのは、インターンシップでタッキーに来ていた箕面東高校2年生 辰巳真由さん。
(なんだか参観日みたい…)

先日の連休で京都に行かれた タッキーネームうめ吉さんから
「紅葉を撮影したところ、目で見た色よりくすんで写っていました。
紅葉を彩り鮮やかに撮影するコツを教えてください。」
というメッセージをいただきました。
また紅葉の名所 箕面市では、この季節、カメラを持って滝道を登るかたで賑わいます。
そこで今月は紅葉写真のコツについてお話ししていただきました。

●色の対比を生かす。
紅葉写真の大きな魅力は カラフルさ。 構図の中に、赤と緑、黄色と青などの補色を意識すると、
対比色がともに生き、強烈な印象になります。
●配色の割合を生かす。
赤くなりかけた葉と少し黄色みを残した葉のように同系色の葉の場合には、構図内での色の分量を
アンバランスにしてみましょう。
たとえば黄色い葉をメインにして赤い葉は少しだけというふうに。
ワンポイントだからこそ、その色(葉)がドラマを語る写真になります。
●ボケを生かす。
望遠側を使うことで、背景を大きくぼかすことができます。
手前にある葉はギザギザの部分までしっかり形が写り、背景にある木々や葉は形がはっきりせず
「色だけ」になることで味わいが出ます。
●光を生かす。
光の向きを順光ではなく、半逆光を意識して撮ります。
枯葉は、順光(真っ正面から光が当たる状態)で撮ってもただの枯葉にすぎません。
斜め奥からの光だからこそ枯葉が語ります。また、完全に逆光にしてシルエット風にしてみても
面白いでしょう。どちらの場合も露出(明るさ・暗さ)補正を使いながら、自分の意図した明るさに
することが良い結果を生みます。
デジタルなので、その場で液晶モニターを見ながら色々な露出で撮ってみると意外な発見がある
のではないでしょうか。
●カメラやソフトの機能を使う
カメラの設定で「彩度」を上げることができるのであれば、思い切って高い数値に変えてみると
鮮やかさが派手になります。ドぎつく感じられる一歩手前でも良いかもしれません。
また、人間は実際に見た色よりも鮮やかに記憶に残してしまうものだとか。撮った写真がくすんで
見えるのはそのせいかもしれません。その場合写真編集ソフトで色彩を鮮やかにするのもいいでしょう。
ただしやり過ぎはいけません。あざとくなる手前でとめる、そのあたりの色彩感覚も、養ってみてくださいね。

【作品例】
昨年千波留が撮影した紅葉の写真に、宮本さんの講評をいただきました。ご参考までに。
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「ボケを活かした美しい世界が伝わります。 右奥の暗がりが非常に効果的です。
 ピントの来ている葉をもう少し左右どちらかに寄せると更に良くなったのではないかと思います。」
千波留自身は「中央に映っている葉が欠けているのが残念、もっとよく見てきれいな葉を映せば
良かった」と感じているのですが、それについてはこの時間のあとの「歳時記つれづれ」ご出演
俳人 東條未英さんから
「茶道では欠けた部分があるものこそ美しいとする侘びさびの感性がありますヨ」
というお言葉を頂きました。日本の美的感覚の奥は深い!

これから紅葉の季節。
皆さんもどうぞ楽しみながら彩りを写真に収めてください。

**質問&作品 募集!!**
「カメラとお散歩」ではカメラや写真撮影に関する質問、ならびにあなたの作品を募集しています。
いただいた作品には宮本さんからの講評並びに、ワンポイントアドバイスがいただけます。
なおご質問の際には、お使いの機種やどのような状況でのことかなどなるべく具体的に教えてくださいね。
メールの件名は「カメラとお散歩」係:816@minoh.net
お待ちしています。