そんな思いから、タッキー816では「ハイスクールプログラム」を毎週放送しています。
ただし、出演は、特定の高校・特定のクラブのみ。
そこで、ラジオに出てみたい中・高・大学生たちが自由に集まって、語り合う番組を企画しました。
タイトルの「発信!じゅーだいスクランブル」は、
・戦闘機の緊急発進(重大スクランブル)
・中・高・大学生などが混ぜこぜ(十代スクランブル)
という二重の意味があります。
今を生きる十代の若者が、切実に思うこと、伝えたいことは何なのか。
番組づくりを通して、一緒に考えていければと思います。
第26回となる今回は、中・高・大学生、8人が集まりました!
・なな(大3)
・れい(高2)
・ゆうすけ(高2)
・ゆうた(高1)
・あやね(中3)
・たいせい(中3)
・たいし(中1)
・みおり(中1)
なんと、半数が中学生!
一気に平均年齢が下がりました。
今回のテーマは・・・
生きていく中で誰しも、大なり小なりの「感動」を味わったことがあるでしょう。
それでは、人はどんなときに「感動」するのか。
また、人を「感動」させるにはどうすればいいのか。
そもそも「感動」って、何なのか・・・?
●一番感動したのはどんなとき?
なな・・・「コペンハーゲンのファッションウィークに参加したこと」
芸大で舞台衣装やファッションを学んでいて、一度生でファッションショーを見てみたくて。
そこで、主なブランドに手紙を書いて「私を招待してください」とお願いしました。
32ブランドに送信して、そのうち2社からOKをもらって。
新作を着た一流モデルがランウェーを歩き、有名雑誌の編集長やフォロワー数十万人のインスタグラマーなどが居並ぶ中、一介の日本の大学生の私がその場にいるなんて・・・本当にそれは感動の体験でした!
ゆうすけ・・・「朝ドラ」
もともとTVっ子で、ドラマとか観るのが好きで、最近は『虎に翼』にハマッてました。
特に、主人公が演説をするシーンで、全身に鳥肌が立つほど感動。
鳥肌が好きなので、次のドラマも楽しみにしています。
自分も将来は表現する仕事をしてみたいので、そのための経験とも考えています。
あやね・・・「演劇部長の言葉」
中学演劇の大会に向けた最後の稽古が終わってから、演劇部の部長(高校生)がみんなを集めてこう言いました。
「ここまで、やれるだけのことをやった。後悔することは何もないから、本番は楽しんできなさい」
その場にいた部員一同、号泣・・・。
実際の舞台では、優勝はできなかったけど、賞をもらうことができました。
みおり・・・「先輩の授業」
私の学校の卒業生で、梅田で劇場を経営しているかたが、特別授業をしてくれました。
そのお話にすごく感銘を受けました。
小学生の頃、アメリカに数年住んでいて、ブロードウェーの舞台もよく観に行ってました。
私も将来、国際的な舞台などで活躍するのが夢です。
たいせい・・・「初めてのライブ」
「初音ミク」のライブに初参加したときのこと。
毎年、新しいテーマソングが作られる中、私が好きなのはかなり昔の曲で、かかる可能性は低かったのですが、ズバリその曲が流れて・・・。
そのライブに触発されて、最近では自分でも曲を作り始めています。
ゆうた・・・「映画に主演して大号泣」
自主制作映画の主演を、ひょんなことからさせていただくことに。
付き合っている彼女が余命宣告を受けるというストーリーで、最後のシーンは涙を流さなければいけません。
うまく泣けるんだろうか、とずっと不安でした。
実際の撮影では、その彼女役の人からのビデオメッセージや遺書を見ているうちに、自然に涙腺が潤んで、気がつくと大号泣。
カットがかかっても涙が止まらず、そのまま泣き続けていました。
『ソナタの肺になって燃える』
たいし・・・「共演者の演技」
子役として、TVドラマなどにときどき出演しています。
先日、岸辺一徳さん主演の終戦ドラマで、主人公の男の子の、友人役で出演したときのこと。
仲良し男子3人組のひとりが僕で、あとの二人の演技が凄くて。
同年代の子たちながら、その演技に感動させられました。
それと同時に「負けられない」と闘争心も湧いて。
本当にいいチームで、いいドラマができたと思います。
『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』
れい・・・「マンションからの夜景」
住んでいるのは特に高層階ではないけど、小さい頃からベランダから眺める景色が好きで。
何の変哲もない眺めですが、何かこう・・・旅行に行くときのワクワク感、みたいなのがあって。
感動が新たな創作意欲や、エネルギーにつながることって、あるんだな。
そんな気付きが得られる、みんなの体験談でした。
●人を感動をさせるには
今回の参加者は、演劇部だったり、映画やドラマに出たり、落語家もいたりして、何かしら「人を感動させる」ことを目的にしている人たちが集まりました。
では、どうやったら人を感動させられるのでしょうか?
ゆうた「映画を観たりして、まさに『感動させること』を学ぼうとしてたんです」
役者の演技や声、表情はもちろん、音響や照明、効果なども総合して、それで感動って生まれるんだな、と感じました。
たいし「共感を得ること」
僕がやっている落語の中には、すごい人とかかっこいい人はあまり出てこなくて、ドジで間抜けな人たちばかり登場します。
みじめだったり、愚かだったり、でもそんな姿こそが、お客さんの共感を得て、それが感動につながるのでは。
ゆうすけ「自己満足ではダメ。プロなら客観的に人を満足させられるものを表現するべき」
これは、自分が歌を習っている先生の言葉なんです。
ひとりよがりにならないように。
でも自分の「熱」も伝えたい。
その兼ね合いが難しい・・・。
自分が「良い」と思っているものと、他人が「良い」と思うものは、必ずしも同じではない。
審査員それぞれに、価値観や評価基準も違う。
あやね「私たちは自分たちの劇を良いと思って演じたけど、審査員が評価してくれなかったことが悔しい」
なな「芸大で制作物を評価されて成績が決められること、それが辛いと思っていました」
みおり「ピアノのコンクールに出ても、全員を感動させるのは難しいけど、一部の人だけでも感動させられたら」
そもそも、簡単に比較して優劣を付けられるものではないはず、と一同。
それでも大切なのは、自分の価値観や世界観を育てていくこと。
それに共感する人が出てくれば、ゆくゆくはそれが、感動につながっていくかも・・・。
一方で、定番の「お涙ちょうだい」ドラマや、動物愛護の話など、あざとさや薄っぺらさを感じることもあります。
意図して生み出された「感動」、感動させるための「感動」・・・?
演劇なども、「感動させる」という目的は同じですが、その場合はそこまで「あざとさ」は感じないようです。
どうしてなんだろう。
単純な問題ではなくて、いろいろな要素が絡み合っているようです。
難しいなあ・・・。
「感動」についての意見は尽きず、それぞれが真剣に考えながらの討論となりました。
きらびやかな世界での「感動」もあれば、何気ない身の周りの出来事から感じる「感動」もあります。
一つ言えることは、「感動」多き人生こそ、良い人生なのではないでしょうか。
番組の制作者からしてみると、こうして年齢も所属も違う若者たちが集まって、自由に意見を交わし合いながら、一つのラジオ番組を作ること。
これこそ、「感動」以外の何物でもありません。
いつも参加してくれる人にも、初参加の人にも、感動を込めて感謝の言葉を贈りたいです。
これからの人生で、たくさん出会って行く「感動」について。
またそれぞれの言葉で、今後も披露してくださいね。